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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/28
2004年更新
暖冬、空梅雨と順調だった今年のゴルフ場
立て続けに列島を襲った台風で被害続出
 今年の夏はカラ梅雨に始まり、猛暑と局所的豪雨、そして相次ぐ台風の襲来といった、天候面で慌しい夏となった。昨年は全国的に長雨にたたられたゴルフ場業界だが、さて今夏の賑わいは?

「個人的に耳にした話ですと、入場者数は昨年に比べ西日本でやや増加。東日本、北日本は昨年並みか、苦戦しているといった状況のようです」と語ってくれたのは、東京都ゴルフ場連盟の森川孝志会長。

 同会長によれば、東日本で客足が遠のいた一番の原因は、やはり猛暑。また、支配人会など業界の会合では、レジャーの構造の変化も影響したとのこと。

「この夏休みは首都圏にゴルファーがいなかったんですよ。多少景気がよくなったせいもあるのでしょうが、それ以上にホテル・旅館業界など旅行業界が格安なパックでお客さんを北海道や東北、長野などのリゾートに引っ張って行ったからとみています。ですから、北日本でも一部では前年より増加しているゴルフ場もあるようです」

 また、関東のある支配人は、「長雨でダメ、猛暑でダメ。どうせダメなら、去年の長雨の方がよかったな」とボヤいている。猛暑では、芝が焼けるなどコースの被害、そして管理の手間がはるかに増えるからだ。

 暑さもほどほどの平穏な夏が恋しいというところか。

 ともかくその猛暑の夏が過ぎ、待望のゴルフシーズン到来と思った矢先、今度は西日本を中心に台風の到来が相次いだ。今年は、正式な気象観測が始まった1951年以来、最多の7個の台風が上陸。各地に深刻な被害の爪あとを残した。

 なかでも、先週7~8日に九州から日本海を駆け抜け、北海道の西をかすめて行った台風18号は強風で甚大な被害を与えた。今月30日から日本女子オープンを開催する広島県の広島CC八本松コースもそのひとつだ。

「(8月30日に九州に上陸した)16号で倒れた100本ほどの松が片付いたと思ったら、今回は150本ほどの倒木があり、従業員総出で処理しています」と、同コースでは疲労感を漂わせる。日本女子オープンといえば、今や男子ツアー以上に注目される女子ツアーの最高峰。その模様は連日生中継される。なんとか美しい舞台に再度仕上げようと懸命のようだ。

 もっと切羽詰まっていたのが、今週ANAオープンが行われる札幌郊外の札幌GC輪厚コース。北海道は台風慣れしていない土地柄のためか、各地で多数の倒木被害があった。その輪厚コースでも約200本の木が倒れた。

「8日の午前中、台風が通り過ぎた直後はそれほど倒れていなかったんですよ。それで10時ころから復旧作業に入ろうとしたら、吹き返しの風が見る見る強くなって、目の前で次々と木が倒れるという感じで、怖かったですよ」(井上幸一支配人)

 倒木のほとんどはコース間の林の樹木だったが、うち2本はコース戦略上(5番と11番)目印となる大事な木だった。プロのプレーには関係がないので今週の大会には支障はないが、来シーズンに向けて対応が検討されそうだ。

 また、一部グリーンで飛ばされた枝が突き刺さるといった被害もあったが、芝を張り替えるほどの深刻な傷ではなかったそうだ。

「街路樹もあちこち倒れたため、重機の手配が殺到して、周囲のゴルフ場では重機が足りず、営業再開が遅れたゴルフ場もあるようです」(井上支配人)

 九州でも、たとえば、くまもと中央CCでは大量の倒木に見舞われたが、不思議なことに直撃した福岡県西部では被害が少なかった。

「16号では40本程度倒れましたが、今回は無事でした。恐らく台風の中心、目の部分が通ったからでしょう」というのは、男子ツアーのKBCオーガスタが終わって、ホッと一息ついている芥屋GCの藤間克之支配人。ところが、その藤間氏が驚いたことがあったという。

「翌日、うちから50キロほどしか離れていない夜須高原CCさんにお邪魔したら、松が400本も倒れたっていうので、ビックリしました

 50キロなんて台風にしてみればまさに紙一重の差。だが、それでこうむる被害の差は計りしれない。改めて天気に翻弄される業界であることを思い知らされた、今年の夏であった。

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