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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/5
2004年更新
ミケルソン、契約先をキャロウェイに鞍替え
シーズン中の変更で最優秀選手は諦めた?
 プレーヤー・オブ・ザ・イヤーの行方が、ほぼ決定した。もちろん、先のカナディアンオープンに優勝し、今季7勝目を挙げたV・シンに決まったということなのだが、これには終盤戦に入って、シンが絶好調だというばかりでなく、もうひとつの理由があるのだ。

 それは、シンの賞金王獲得を唯ひとり阻む可能性を持っているP・ミケルソンが、なんとこの時期に、タイトリストからキャロウェイに鞍替えしたからだ。使用クラブの契約変更というのは、通常オフシーズンに行われ、新しいクラブに十分馴染んでからシーズンを迎えるというのが一般的。クラブの良し悪しに関係なく、やはりプロといえども、新しいクラブに馴れるには時間がかかるもの。

 実際、カナディアンオープンでは、試合前には賞金ランク1位のシンと2位のミケルソンの直接対決などと噂されていたものだが、結果的には、ミケルソンは試合で初めてキャロウェイのウッドとボールを使用して、75-69-79-68という大波小波で、シンとの対決どころではなかったのだ。

 ミケルソン本人に言わせると「使用し始めたのは、ドライバーがフュージョンのプロトタイプで、3番、4番ウッドは普通のビッグバーサ、ボールはプロトタイプで、HEXツアーに似たもの。新しいクラブに挑戦するというよりも、自分は新しいクラブを使えるチャンスに興奮しているくらい。なにしろ、このドライバーとボールで、たぶん15ヤードから25ヤード近くも飛距離が伸びているからね」ということになる。しかし、その一方、「タイトリストに変わるときには、1年近くかけたが、キャロウェイとの関係は、つい最近始まったもの」とも認めている。

 2年前、タイガー・ウッズが、アイアンをタイトリストからナイキに変えたときも、ライダーカップの直前だったことから話題を集めた。ウッズの場合は、すでに数年、ナイキのアイアン開発に関わっていたことから、スムーズにクラブの変更ができたが、ミケルソンの場合は、ちょっと唐突過ぎるといった印象を与えている。

 ただ、あくまで噂だが、ミケルソンはもう数カ月前から、新しいクラブメーカーを探していた話も聞こえてくる。ミケルソンとタイトリストの契約は、05年の12月までで、年間約500万ドル弱といわれているが、今年マスターズに優勝し、その後全米オープン、全英オープンで、それぞれ2位、3位と好成績を収めたことから、契約金アップの交渉をタイトリストに申し込んでいたとか。

 ミケルソンにすれば、昨年の不調で、その時点からタイトリストに見切りを付けていたということになるのかもしれないが、タイトリストにすれば、そもそもミケルソンのポテンシャルに投資していたわけで、今さら契約金のアップなどとんでもない、ということなのだろう。

 結局、契約金アップの交渉が実らずにいた中で、キャロウェイのトップが替わり、経営方針が変わり、キャロウェイとミケルソンの利害が一致したと見るのが妥当だろう。

 キャロウェイといえば、プロではA・ソレンスタムやC・ハウエルIIIなどと契約を結んでいるが、むしろテレビの宣伝などでは、ビル・ゲイツやセリーヌ・ディオンなど、有名人を出演させて、一般ゴルファーにアピールしていた。それがトッププロたちと契約するタイトリストやテーラーメイドなどに、シェアを脅かされてきていることから、「すべての意味でワールドクラスのプレーヤー」(W・ベーカー、キャロウェイCEO)であるミケルソン獲得に踏みきったということなのだろう。ちなみに、ミケルソンのキャロウェイとの新しい契約金は、推定年間600万ドル以上とか。

 ミケルソンは今年、自動車のフォードとも高額契約を結んでいることから、賞金王やプレーヤー・オブ・ザ・イヤーは逃しても、ツアーの中では、タイガーに次いで、ナンバー2の稼ぎ頭ということになりそうだ。

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