ゴルフダイジェスト出版案内> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/5
2004年更新
上原彩子、横峯留衣の2人が乳ガン啓発の
運動に協力、バーディ1個につき寄付金
 乳ガンの早期における発見、診断、治療の重要性を啓発する「ピンクリボン運動」。もともとは1980年代にアメリカで始まった運動だが、国内でもここ数年、多くの大手協賛企業が加わったことで盛んになってきた。そして、プロゴルフ界でも今年から2人の女子プロが同運動に賛同、協力し、今季プレーを続けている。

 その2人とは、注目ルーキープロのひとりである上原彩子と、横峯さくらの姉・留衣。ともにウイルソン(アメアスポーツジャパン)の契約選手だ。というのも、もともと同社はテニス用品の分野でこの運動に参画していた協賛企業。昨年、両選手が同社契約プロになったことで、今季からはゴルフの分野でも協力することになったのだ。


ピンクのリボンにも注目!
 彼女たちの活動としては、キャップやキャディバッグなどに、シンボルマークのピンクリボンを付けて(横峯はバッグに刺繍)プレー。トーナメントでバーディを獲るごとに、同社が1000円の報奨金を積み立てる。積み立てた報奨金はシーズン後、ピンクリボン運動を推進する乳がん啓発支援のNPO(非営利団体)「あけぼの会」へ寄付される予定。ちなみに、両選手のバーディ数は先々週の日本女子プロ選手権まで、上原が63(11試合)、横峯が17(5試合)となっている。

「2人とも若いのでそれほどの知識はなかったようですが、この病気のことや運動の内容を知ると、積極的に協力したいと言ってくれました」(同社プロ担当・梨本博之氏)

 運動開始当初、両選手はそれぞれ「日本でも乳ガンで亡くなられる人が急増していると聞いてショックを受けました。今後は自分でケアすると同時にひとりでも多くの人に知ってもらいたい」(上原)、「乳ガンについてあまり考えたことはありませんでした。今後は自己検診を始めたいと思いますし、家族や友人にも勧めたい」(横峯)と抱負を語った。

 そうした思いが通じたのか、あるいはルーキー、上原のメディア露出度が増したおかげか、このところ、彼女たちが付けているピンクリボンへの注目度が増してきた。先日もトーナメントのTV中継のなかで取り上げられていた。

「たしかに、最近はコースでもピンクリボンを知っている方が増え、うちにも支援の声が届くようになりました。上原は、前半なかなか試合に出られなかったとき、『なかなかこの運動を伝えられなくて悔しい』というようなことを口にしてました」(前出・梨本氏)

 一方、寄付される側の「あけぼの会」では、「女性にとってはとてもナイーブな病気で、以前は、周りに相談もできず、ひとりで悩んで結果的に病気が進行する例が多かったんです。運動がこうして紹介されることで、誰もが抵抗なく相談や検診を受けられる社会になればと思います。その点では、若い2人のプロの活動には感謝しておりますし、メディアにももっと紹介されるといいですね」(同事務局)と語る。

 啓発が進み、この病気に対する、内にこもる意識がなくなれば、このピンクリボン運動もなくなるということである。

「そうそう、乳ガンは女性だけの病気ではないんですよ。小さいながら男性にも乳腺はありますから……」(あけぼの会事務局)

 えっ!? そうなんですか。啓発されるのは女性だけじゃなかったようだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト
ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です