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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/26
2004年更新
天変地異さえ思わせた今夏の荒天候。ゴルフの
メッカ・米フロリダでもハリケーン被害が深刻
 先週号でもお伝えしたように最高の年間獲得賞金をどこまで伸ばすかが注目されているビジェイ・シンが、出場すれば必ず賞金が獲得できるアメックス選手権を欠場した。理由はハリケーンによる自宅被害のためだった。この夏、関西を中心とした日本の台風被害も甚大なものだったが、アメリカでも今年はハリケーンの当たり年。フロリダを中心に、ゴルフ界にも大きな被害が出た。

 この夏の8月中旬に開催された全米プロでは、試合の話を除くとプレーヤー達の最大の関心ごとは、ハリケーン・チャーリーのことだった。それからフランシス、イバン、ジェーニー(アメリカのハリケーンは、アルファベット順位に男女交互の名前がつけられる)と、四つの大型ハリケーンが、わずか1ヵ月半の間にフロリダを襲ったのだから、たまったものではない。

 例えば、PGAゴルフクラブ・セント・ルーシーでは、約300本の木が倒れ、「まるで誰かがチェーンソーを持って通りすぎた」(同クラブ支配人)ような有様というし、プレーヤーズ選手権が開催されるTPCソーグラスでも、100本以上の木が倒れ、オーガスタなどと並び評される超名門プライベートクラブであるセミノールでは、樹木がほとんど倒れて、ハイウェイから、コースが見渡せるほどになってしまった。

 名のあるコースは、通常のメンテナンスがしっかりしていることから、まだ被害は少なかったが、サニーブリーズ・パルムスのように、クラブハウスが倒壊したところもあれば、ムーリングス・クラブのようにグリーンやティが、水に流されてしまったところもある。

 もっとも、こうした被害報告は、ハリケーン・チャーリーとフランシスによるもので、フロリダを横断したジェーニーなどの被害については、まだ日が浅く、被害状況が完全にはわかっていない状態。しかも、復興作業が始まる時間もないほどの次ぎから次ぎのハリケーンの上、停電やガソリン不足などで、通常のメンテナンスも出来ない状況というから、今後どれくらい、被害が大きくなるかも分らない状況だ。

 もっとも、毎年フォード選手権が開催されるドラ-ル・ゴルフリゾートなど「うちは内陸部にあるために、被害も少なく、逆にハリケーン・フランシスでは、ハリケーンを避けて逃げてきた人々が宿泊して、例年より利益が上がったくらい」(C・マーフィ広報部長)という所もあるが、ある意味で、救いは4つのハリケーンが8月、9月に集中したことだろう。

 というのは、夏場のフロリダは、暑く、通常入場者も少ないからだ。「これが10月だったら、真っ青になるところだ」とPGAナショナルのC・コルソー支配人が語るように、フロリダのゴルフシーズンは、10月から始まるので、1カ月近い休場による収入減もなんとか最小限で済んでいるようだ。

 しかし、フロリダ全体では、数兆円の被害があったともいわれ、一時期には、300万世帯の停電が起きるなど、ハリケーンの爪跡は、日本の台風以上に生々しい。

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