タイガー・ウッズを始めとする日本ツアーの秋の陣を彩る外国人招待選手。そのほとんどが明らかになり、ここ数年の中では比較的イキのいい顔ぶれが見えてきた。
インターナショナル3連戦と呼ばれる11月後半の三井住友VISA太平洋マスターズ、ダンロップフェニックス、カシオワールド・オープンの3試合は、例年、欧米両ツアーから、ビッグネームを招待し、ゴルフファンには大きな楽しみとなっている。
目玉は、もちろんダンロップフェニックスに出場するタイガーだ。3年間で2度、出場するという契約を2002年に結んでおり、今年がその3年目だ。
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ひさしぶりに「生」のタイガーを見てみたい |
メジャータイトルどころか、米ツアーの優勝もアクセンチュアマッチプレーの1つだけと、今季は「らしくない成績」に終わっている。9月に入ってから、ワールドランク1位の座すらビジェイ・シンに譲り渡し、ライダーカップでもいいところが見せられずじまいだった。
アーニー・エルスにまで抜かれて同ランク3位となってしまったが、生のプレーを目にする機会は少ないとあって、人気は相変わらずだ。
98年カシオワールドで日本初上陸を果たしているが、2年前のこの大会を含めて日本では未勝利。「言うまでもなく優勝を狙って来日します」とキッパリと宣言しているだけに、やはり見たくなる。
私生活の面でも充実している。10月上旬にスウェーデン人のモデル、エリン・ノルデグレンさんと豪華な結婚式を挙げ、そのまま自家用ヨットでハネムーンを散々、楽しんでいる。一時は別離が噂されたり、エリンさんがスランプの原因にされたりしたこともあるため、辛い思いもしたが、晴れて結婚したことで、タイガー自身、精神的にもかなり楽になっているはずだ。
タイガーと共に出場するのが、ディフェンディング・チャンピオンのトーマス・ビヨーン(デンマーク)だ。ビヨーンは今年に入って調子を崩し、一時は引退すら考えるほどボロボロになっていたが、副主将として出場したライダーカップがターニングポイントだった。米国相手に圧勝した欧州チームのエネルギーを吸収して復活。直後のWGCアメリカンエキスプレス選手権で2位でそれを証明しており、連覇を狙っている。
ダンロップフェニックスには他にチェ・キョンジュ(韓)、スチュワート・シンク(米)、ロバート・アレンビー(豪)、アーロン・バデリー(豪)、アレックス・チェイカ(独)ら実力者が勢揃いする。
一方、3連戦のスタートとなる三井住友VISA太平洋マスターズには、96年から大会3連覇を飾っているリー・ウエストウッド(英)と、ダレン・クラーク、グレイム・マクドウェルの北アイルランドコンビが参戦する。ウエストウッドは、今ひとつの状態が続いていたが、クラークと共にライダーカップでポイントゲッターでとして大活躍。それ以後、絶好調で、HTBC世界マッチプレー決勝で、世界ランク2位のアーニー・エルスと激戦を演じた勢いのまま、得意コースに乗り込んでくる。
最終戦カシオワールドは若手選手を集めている。17歳のアマチュアとして98年全英オープン4位になったジャスティン・ローズ(英)を始め、欧州ツアーのルーキー、スティーブン・イエッペセン(スウェーデン)、シャール・シュワーツェル(南ア)と、来季米ツアー出場権を確定させているハンター・メイハン(米)など、ビッグネーム予備軍が勢揃い。ニュースを先取りするには絶好の機会となるだろう。
招待選手が決定するのは例年5月ごろから夏の終わりごろまでとあって、その年、調子のいい選手が必ずしも来日するとは限らない。そんな事情もある中で、関係者も「ツイていた」と口を揃える今年の3連戦は、ファンにとってもラッキーかも知れない。
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