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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/7
2004年更新
グレッグ・ノーマンがマグレガーとクラブ契約
50歳のシャーク「マックテックの顔」になる
 先々週の12日、グレッグ・ノーマンが新たにマグレガーのツアースタッフとなる正式契約を結んだことが発表された。復活を期する名門メーカーと殿堂入りの名手のこの組み合わせ、一見ピッタリとも思えるが、よく考えると意外でもあり……、ちょっと注目のマッチングなのだ。

 ちょうど1年前、日本と韓国におけるマグレガー・ブランドの販売権を有するマグレガーゴルフジャパンが、実質親会社だったサントリーから米マグレガー社に完全譲渡(返還)された。米側が名門復活を目指すに当たり、マグレガージャパンが独自開発し、日本で大ヒットさせたマックテックのクラブが必要とされたからだ。


シャークが広告塔
 上級者向けのイメージが強いマグレガーが、米国ならびに世界市場にアベレージクラスを狙って放つ世界戦略として、日本側が有するマックテックとその開発力が欠かせなかったのである。

 さらに、04年中に日米のスタッフが共同でマックテックの新製品を開発。05年には勇躍、世界市場に打って出る計画があることも発表された。

 どうやらその計画は順調に進んだようで、来年1月にまず「マグレガー・マックテックNVGドライバー」が世界戦略モデルとして発売されることになった。ちなみに、米国ではボリューム価格帯である399ドルで発売される。

 そして、それに合わせて新しく「マックテック」ブランドの顔(メインのイメージキャラクター)として、かつての世界No.1プレーヤー、グレッグ・ノーマンがツアースタッフに加わることになったのだ。

 しかし、「シャーク」に象徴されるノーマンのイメージと、アベレージ向けの“やさしい”クラブであるマックテックは不釣合いとも思える。だが、そのノーマンも来年の2月10日で満50歳、シニアツアー入りを迎える。

「シニア入りするに際し、マックテックという比較的やさしいクラブを手に、新たな挑戦をするということです」(マグレガーゴルフジャパン 営業統括部 松下健氏)ということだから、やはりイメージチェンジが図られるのだろう。

 発表によれば、来季ノーマンは先のドライバーの他に、同シリーズのスプーン、未発表の「V-FOIL M675鍛造マッスルバックアイアン」(来年1月の米PGAショーで発表予定)など、同社の12本のクラブを使用して、少なくとも16試合に出場する予定。そのうちの2試合は、全英オープンと同シニアオープンになりそうだ。

 今回同社のツアースタッフに加わったことについて、ノーマンは「マグレガーが革新の伝統を持つユニーク(希少な)会社だからです。同社製品は進化したテクノロジーと優れた職人によって創られています。実際、今度使用するドライバーもその秀逸さを証明しています。また、私はバリー・シュナイダー氏(オーナー兼CEO)が目指すビジョンは素晴らしいと思っており、そのために働けることを願っています」と語っている。

 しかし、ある業界関係者は「もともとノーマンはジャック・ニクラスに強い憧れを持っていた。ニクラスはかつてマグレガーのオーナーであり、マグレガーの象徴だった。だから、ノーマンにはマグレガーと仕事ができることに、発表されたコメント以上の特別な思いもあったのでは……」と推測する。

 ところで、同社の主な契約プロには、オラサバル、リー・ジャンセン、アーロン・バデリーがいるが、「マックテック」ブランドの顔はやはりノーマンが務めるようだ。この起用について業界に詳しい片山哲郎氏は、「プロ契約には、ツアーで活躍してもらうことで性能をアピールする起用と、イメージやネームバリューで一般にアピールする狙いで起用する方法があります。今回はその後者。その点では効果が期待できると思います」と語る。実際、マグレガージャパンによれば、今後ノーマンの姿は宣伝・広告で積極的に露出していく予定だという。

 さて、その姿は従来の「精悍なシャーク」ではなく、どんなイメチェンがなされるのだろうか? ちょっと楽しみではある。

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