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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/14
2004年更新
合田洋と高見和宏が賞金シード復帰
予選落ちの矢野東も70位に踏み止まる
 大会前夜祭の席で、来年の開催地が高知県に移ると、主催者であるカシオ計算機の樫尾和雄社長が突然表明するという衝撃の中で幕を開けたカシオワールドオープンは、ニュージーランドのデービット・スメイルの今季初優勝で幕を閉じた。一方、賞金シード権を争う選手にとってシーズン最後の試合でもあり、ボーダーラインを巡るせめぎ合いの熱いサバイバルゲームが今年も展開された。

 今季の賞金シードは、規定試合数(16)を満たしていない、T・ウッズとD・クラークの2人を除くため、72位まで。前週のダンロップフェニックス終了時点での72位は、獲得賞金1472万1216円の中川勝弥だったが、ボーダーラインの下は73位で中川を27万475円差で追う合田洋。さらに74位の高見和宏が31万2725円差、75位のチャーリー・ウィが41万7217円差で、76位の宮里聖志が84万5749円差で続いていた。ボーダーラインの上に入っていた選手は、中川をわずか6621円リードした71位の芹沢信雄。70位は、中川を2万2358円上回る飯島博明。69位は、115万8000円の水を開けていた矢野東、という状況だった。

 以上の69位~76位まで、この大会不出場のウィを除く7選手に注目が集まった。とはいえ優勝賞金が2800万円、2位は1400万円の大会だから、もっと下からの大逆転の可能性もあったのだが……。

 予選2日間を終えた段階で、矢野、飯島、芹沢と「圏内」にいた選手3人が予選落ちしたのに対して、「圏外」だった合田、高見、宮里の3選手が決勝に進出し、土壇場での逆転が濃厚に。特に「圏外」との賞金差が少なかった飯島と芹沢は、中川下位の選手が予選通過を果たしただけで、ほぼ賞金シード復帰の目はなくなった。

 矢野は下位の選手の順位次第でシード落ちの可能性もある状態で「練習をしながら結果を待ちます」と会場をあとにしたが、100万円以上あった“余裕”が幸いして、かろうじて70位に踏み止まることができた。

 94年の日本プロ選手権優勝で得た10年シードの権利が今シーズンで期限切れとなる合田洋が、通算3アンダーの15位タイと粘りを見せ、00年以来の賞金シードへの復帰を果たした。

「この10年の間、カッコよく言えばゴルフは自分を磨く手段だと思ってやっていましたけど、生活していくには厳しかったですね」と合田はこの10年を振り返った。

 賞金シードを4年ぶりで取り戻した高見は、最終日のスコアを提出したあとも宮里聖志の順位次第ではQT行きの可能性もあっただけに、決まった瞬間、キャディと抱き合い、うっすら涙を浮かべる一幕も。

「長い一日でした。こんな思いはプロテスト以来。でもジャンボにも『おめでとう』と言ってもらえたし、よかった。(最終日の)スコア的には1アンダーでしたが、プレッシャーのかかる中で、今日は100点です」とちょっとほっとした表情の高見。

 シード当落ライン上にいて、常にシード入りの計算をする際の基準となっていた中川も、71位で賞金シードを維持。

「こんなにバタバタしていてはダメですね。来年はもっと自分のゴルフスタイルを作れるよう精神面の勉強をします」と中川は最後の試合まで“シード当確”を決められなかった自分のゴルフを反省することしきり。

 いずれにしても、入る選手がいれば、同じ数だけ落ちる選手がいるのが、賞金シード争いの常。入った選手はより高いレベルのゴルフを、落ちた選手には捲土重来を期待したい。

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