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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/28
2004年更新
女子プロブームのなかで俄然注目される
3年に1度のLPGA理事選挙の行方
 スーパールーキー、宮里藍の出現で、岡本綾子が米ツアー賞金女王になって以来の人気に沸く国内女子ツアー。その今後を左右する大きな行事が、12月17日に控えている。

 日本女子プロゴルフ協会(樋口久子会長)の総会の場で行われる3年に1度の理事選挙がそれだ。かつては閉鎖的な感のあった選挙が、今回から制度改革され、開かれたものに変わってきたというのだが、さて実態はどうなのか。

 まず、これまでの制度と問題点を簡単に説明しておこう。3年に1度の総会での理事選は、候補者なし。会員同士の互選で行われていた。

 そのため、誰に投票していいかも、誰がどんな考えを持っているのかもわからないまま、名前だけで投票したり、水面下で行われる選挙運動に左右される会員も多かったため、必ずしも適任の者が理事になっていたとは言いがたい面があった。本人の意思に反して理事に選ばれてしまうこともあり、選挙の後で辞退というケースもあった。

 また、選挙管理委員会がないため、実際に選挙を取り仕切る者がハッキリせず、理事会や事務局が片手間に行ってもいた。

 これに加えて、総会に出席していなくても投票権があったため、遠方の会員や、投票意思の薄い者に対する事前の運動が激しく、これが選挙の行方を大きく左右していた。

 これらの問題点を踏まえて、今季始めに発表された新制度は、新設の選挙管理委員会の下ですべてが行われた。トーナメント出場を主とするTPD(トーナメント・プレーヤーズ・ディビジョン)とレッスンなどを主に行うGBD(ゴルフ・ビジネス・ディビジョン)双方のミーティング委員会委員がこれにあたり、TPDのミーティング委員長、高橋美保子が選管委員長も兼任している。

 次に立候補、推薦制が適用されたこと。現職理事、立候補者、推薦候補者の区別こそあれ、これを募り、所信表明、プロフィール(推薦の場合は推薦文)などと共に、会員達に事前に通達。当日は3名連記の1回投票で行われる。

 つまり、会員は郵送されてきた候補者名簿と、その考え方をじっくりと見る機会を与えられた。誰に投票したらいいのか考えることが出来るようになり、さらにやる気のない者が選ばれることもなくなったというわけだ。

 ところで11月10日にすでに発送されている候補者たちと、その周辺の様子はどうなのだろうか。

 同協会事務局に問い合わせると「会員以外には公表できません。選挙当日にも、新理事は発表しますが、それ以外(落選した候補者)については未公表です」と、かたくなな返事。だが「樋口久子会長以下、現在の理事15人は、大迫たつ子を除いて全員立候補している」と関係者たちは口を揃えた。

 協会は65歳定年制を敷いており、新制度では理事就任時に65歳以上の者は被選挙人になれない。清元登子現副会長は、現在65歳でこれに抵触するが、今年の選挙ではこのルールが適用外となっているため、最後の立候補となりそう。

 現理事に加えて原田香里、柏戸レイ子、辻和代ら8人が名乗り出て、候補者は全部で22人と言われる。決戦の時を目前に控えて、水面下で最後の激しい選挙戦が繰り広げられている真っ最中だ。

 しかし、忘れてはならないのは、現在の女子プロブームは、決して協会が努力して得たものではないということ。宮里藍を始めとしたジュニアが育ってきたからこそ生まれたもので、協会にとっては「濡れ手に粟」というのが本当のところだろう。

 ところが、現協会首脳部の中には、自分達がこの人気を呼んだ、と都合よく考えている者もあるのが現実で、それでは、宮里藍を始め、海外志望の若手達が近い将来、海外に行ってしまったときには何も残らなくなる。

 今後の首脳陣に求められるのは、組織のリーダーに外部の人材を投入することも含めた将来への確かなビジョンだろう。底辺拡大はもちろんのこと、一過性ではないツアーの地位と人気を確立させることが大切だ。

 こんなに注目されている時だからこその大事な選挙。ツアーの行く末は、プロ達がどんな理事を選ぶことができるかどうかにかかっているといっても過言ではない。

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