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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 1/4・11
2005/1/16更新
ソレンスタムと「韓流パワー」に押されて
アメリカ人選手はトップ10にたった2人
 米女子ツアーは、今年もアニカ・ソレンスタムが、18戦8勝、国際試合を加えると20戦10勝とという勝率5割でツアーを席巻した。また、トップ10に3人のプロが入った韓国勢の活躍が目をひくなど、アメリカ人にとっては海外プレーヤーたちに翻弄された1年だった。

 米LPGAのボウトウ・コミッショナーに言わせると「LPGAが、国際的な世界最強のツアーになっている証拠」ということになり、実際世界8カ国のプレーヤーが優勝をしているわけだが、04年の米女子ツアー32試合中、アメリカ生まれのプレーヤーが優勝したのは、わずかに11試合だけ。実に全試合の約3分の2が、海外勢にタイトルを持っていかれてしまった。

 ちなみに、今年の国別の優勝者の内訳は、アメリカ11勝、スウェーデン9勝、韓国4勝、メキシコ、イギリス、オーストラリアが各2勝で、スコットランドとフィリピンが、1勝ずつというもの。しかも賞金ランキングで見ると、ベスト10にはアメリカ人プレーヤーは、今季3勝した4位のメグ・マローンと5位のクリスティ・カーの二人だけしか入っていない。41歳のマローンは、そろそろ年齢的にきつくなっているので、ある意味では、アメリカの期待の星はカー一人ということになってしまった。

 そんな中、ベスト10にグレース・パーク(25)、キム・ミヒョン(27)、パク・セリ(27)の3名のプレーヤーが入った韓国勢の活躍が目覚ましかった。優勝こそ4回しかできなかったが、あらゆる試合で彼女たちが優勝争いに加わっていた。年長格で韓国勢を引っ張るパク・セリは、「まだ、ソレンスタムには勝てませんが、彼女より若いので、これからが勝負です」と語るように、全員若手揃い。これに比べて、アメリカ人が台頭しそうな気配がないので、人気の点から言って、「テレビ視聴率が伸びない」と心配する声も関係者の間から漏れてくる。

 しかし、韓国系とはいえ、アメリカ人たちにとって「希望の星」となっているのは、ハワイ生まれのミッシェル・ウィだろう。今年はアマチュアの試合でも優勝こそできずに苦しんだが、なんといっても、まだ15歳。まだまだこれからの成長株で、若くてハツラツとしたプレーぶりや、男子顔負けの飛距離というアメリカ人好みのキャラクターだ。ある意味では、ソレンスタム以上の人気があるといえるのかもしれない。それに韓国系とはいえ、ハワイ生まれのアメリカ人プレーヤー。日本の宮里藍のような効果が、ウィにも期待されている。

 04年の米女子ツアー全体を見渡すと、人気の点では男子シニアツアーと互角といったところ。基本的には、男子のレギュラーツアーに人気が集中したために、地上波のネットワーク局がテレビ中継する試合数がシニアツアーとともに少なく、ゴルフ好き以外には、中堅クラスの女子プレーヤーたちの名前もアメリカでは、あまり一般には知られていない。その中でわずかに、男子ツアーに挑戦したソレンスタムやウィの存在はゴルフファン以外にも認知度が高い。

 それだけに来年、ウィが男子ツアーで予選を通過したり、女子ツアーで優勝すれば、という期待がかかっている。また来年は、名実ともに「女子史上最強のプレーヤー」になりつつあるソレンスタムのプレーぶりも見逃せないし、ウィと宮里藍の対決なんていう試合もぜひ見てみたいものだ。

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