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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 1/25
2005/1/28更新
昨年不評を買ったメジャー大会のコース設定
今年は一転して、「タイガーに有利」という噂
 新年早々、米ツアーではすでに今年の開幕戦が行なわれたが、昨年のメジャーでの後遺症が、今シーズンのコースセッティングにどのように影響を与えるかが懸念されている。

 今年のメジャーは、USオープンがパインハースト、全英オープンがセントアンドリュース、全米プロがバルタスロールで開催されるが、こうしたコースでのセッティングが、どのようなものになるかが注目されている。


今年の全米プロ開催コースのバルタスロールGC
 というのも、昨年の全米オープン、シネコックヒルズでは、「コースメンテナンスの限界を超えてしまった」とタイガー・ウッズがコメントしたように、カチカチの止まらないグリーンだった。「芝が死んでしまって、このコースではしばらくメンバーがプレーできないだろう」(M・ウィアー)というコンディションになっていた。

 これは「USGAは飛距離との戦いに敗れてしまった」とT・カイトが言うように、古い伝統的なコースでは、ヤーデージを伸ばすには限界があり、結局グリーンを速くして対応するしか方法がないため、可能な限りグリーンを短く刈っている。その上にローラーをかけ、芝が生きてゆけるギリギリのところで、グリーンのセッティングを行なっているのだ。

 一方、この反対にもともと距離が長い全米プロ開催コースのウィスリングストレイツ(約7600ヤード)では、「パー4のホールで、第2打がグリーンに届かない」(丸山茂樹)と、パワー不足のプレーヤーには、ほとんど勝つチャンスがない難しいコースセッティングになってしまった。

 タイガー・ウッズが96年にデビューして以来、ロングヒッター対策として、トーナメントの開催コースは改造を繰り返してヤーデージを伸ばしてきた。それが究極の形で現れたのが昨年の全米プロであり、またマスターズのようにグリーンを速く硬くしようとして不評を買ったのが、全米オープンということになるだろう。

 ここ数年、全米オープンでUSGAは、かつてのような深いラフを作るのをやめてしまっているが、ヤーデージもこれ以上伸ばせないし、グリーンのスピードもこれ以上は望めないところまできている以上、残るのはやはり、フェアウェイを狭くしてラフを深くするといった方法しか残されていないようだ。

 そこで今年のメジャーは、昨年の後遺症(教訓?)から、ラフが深くなりそうだ、と予想する人がいる一方で、こんな声も聞こえてくる。

 「今年の初めにTV放映権の価格交渉を行なうPGAツアーは、視聴率を稼ぐためにもタイガーに優勝を重ねてもらいたいと思っているはず。となれば、非力なプレーヤーを無視しても、ロングヒッターに有利なコースセッティングをするかもしれない。つまり、急にラフを深くするようなことはないだろう」(米国人ジャーナリスト)

 米国でも、ツアーを活性化させるためには、タイガーの復調に期待を寄せる声が多い。

 日本のダンロップフェニックスを含めて、昨年末の2連勝もさることながら、8月末のNECから6試合に参戦して、アメックスの9位を除けば、あとは優勝か2位という好成績を残したタイガー。平均ストローク数も67.99と、2000年のピーク時と同じような安定度を見せている。

 その中で、なにより注目したいのは、年間を通して平均56.1パーセントだったフェアウェイキープ率が、昨年のタイガーの最終試合となったターゲット・ワールドチャレンジでは67.85パーセントと、スウィング改造の効果からかティショットに安定感が増していることだ。この好調さが続けば、厳しいコースセッティングも、タイガーの障害にはならないだろう。

 2000年のセントアンドリュースでは4日間、一度もバンカーに入れずに優勝したタイガーだが、自然のままのリンクスとは違い、ラフの長さやフェアウェイの幅、グリーンの硬さ、速さをメジャー用にセッティングしてくる全米オープンや全米プロで、どういう戦い方をするのかが注目される。こうしたコースからの視点で今年のメジャー4試合に目を向けてみると、ツアーの見方がもっと面白くなるだろう。

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