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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/1
2005/1/29更新
欧米のゴルフ団体が「津波救済基金」を次々発足
アジア系プロのシンやタイガーも活動を開始
 史上最悪の被害をアジア地域にもたらしたスマトラ沖地震と大津波。これが世界のゴルフ界にも波紋を投げかけている。

 男子ゴルフでいえば、ワールドランキング・ナンバー1のビジェイ・シンはインド系で、奥さんのアルデナさんの母国はマレーシア。シン自身も、かつてはボルネオ島でクラブプロをしていたこともあり、今回被害を受けた東南アジアとは、深い繋がりを持っている。

 そしてワールドランキング・ナンバー2のタイガー・ウッズにとってタイは、母親の祖国だ。また、そのタイガーにタイのプーケット島にあるブルーキャニオンCCで開催された、98年のジョニ-ウォーカーカップで敗れたナンバー3のアーニー・エルスは、「トーナメントだけではなく、ここ何年もの間、バケーションに訪れているホテルが津波によってやられてしまった。昨年の2月にも10日ほどプーケットで過ごしたが、本当にひどいことになってしまった」と、世界のトップ3が偶然にも、被災地と密接な関わりを持っている。

 シンはこの1月に、ネットオークションで車や使用していたクラブセット、PGAツアーのチケットなどの競売を行い、その落札金額を津波の被害者に全額寄付する。「わずかだけれど、少しでも助けになればと思う一方、この寄付が他の人達の心を開いて、さらなる寄付に繋がればと願っている」(シン)

 これに応えるようにPGAツアーでも、少なくともシンに匹敵する寄付を行うと表明。さらにUSGA、LPGA、PGAオブアメリカ、オーガスタナショナルなどが協力して、「USゴルフ津波救済基金」を発足させ、200万ドル前後の寄付金を集める予定という。一方、ヨーロッパツアーでも「インターナショナル・津波救済基金」を発足させているし、もちろんタイガーも現在どういう形で寄付を行うか検討中という。

 またヨーロッパ女子ツアー(LET)では、この3月末にタイのバンコクでタイオープンを予定していることから、この試合での利益を寄付するだけでなく、様々な方法で寄付金を募る計画を立てている最中だ。幸い心配されていたタイの名門、プーケットCCや94年、98年にジョニーウォーカーカップが開催されたブルーキャニオンCCの両コースは、内陸部にあるために、今回の津波の被害を免れた模様だが、タイのゴルフ界の重鎮、プラソム・サザピタノン博士が、いまだに行方不明という。

 サザピタノン博士は、タイではもっともゴルフルールに精通した人物として知られているが、ちょうどピピ島に家族とバケーションに出かけていた。タイのゴルフ協会では、博士のバケーション期間中に開催されるトーナメントでルール上の問題が起こった場合に備えて、博士と携帯電話で連絡を取り合っていたが、バンコック・ポスト紙が伝えるところによれば、津波の直後から、年を明けても、全く連絡がつかない状態が続いている。

 タイではゴルフを含めた観光レジャーは、外貨を稼ぎ出す重要な産業だが、今回の津波でキャンセルが相次ぎ、国内各地のリゾートコースでも、入場者が激減しているという。今後の復興や被害者の救済は、まだこれからも続くので、わずかな金額でも赤十字やユニセフなどに世界のゴルファー達が寄付をすれば、多少なりとも状況は好転していくだろう。

 この冬、東南アジアのゴルフ産業を助けるつもりで、かの地に出かけることも、決して不謹慎とは言えないだろう。

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