2月に行われるワールドカップ女子ゴルフ(11~13日、南アフリカのファンコートホテル&CCエステート、ザ・リンクス)に、日本は代表として宮里藍と北田瑠衣の2人の派遣を決定。先頃、正式発表して2人は意気込みを口にしたが、その裏には様々な事情が交錯しており、2人にかけられた期待は想像以上に大きい。
「ワクワクしています。代表として自分の力を120パーセント出し切り、足りないものは吸収して来たい」(宮里)。
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女子W杯、藍&留衣コンビにも勝機あり |
「代表としてプレーできるのは名誉なこと。選手の顔ぶれを見てもトッププレーヤーばかりなのでベストを尽くしたい」(北田)と、19歳と24歳の若い2人は目を輝かせて大会を今や遅しと待ち構えている。
だが、世界20カ国の代表選手が集結し、3日間のスコアを競う同大会だが、実は日本はすんなり出場権を獲得できたわけではなかった。
米女子ツアー(LPGA)と 欧州女子ツアー(LET)が主催する同大会は、双方の賞金ランキングをベースにした出場国選出を第一条件に謳っている。つまり、昨年の賞金ランキング上位10カ国以内が自動的に出場権を獲得するしくみ。日本選手は、米ツアーでは東尾理子の91位が最高で、欧州に常駐する選手はいない。そのため、このカテゴリーからの出場資格はない。
上記を満たさないホスト国と両ツアーが追加した国という枠で、今回はスウェーデンやイングランド、豪州の3カ国が、どちらのツアーでも上位10カ国に入ったため、出場20カ国の枠のうち3つが空き、上記を満たさないホスト国と両ツアーが追加した国と特別招待国として、日本は南ア、オーストリアとともに出場権を獲得した。
実際は、マーケットとして大きく、また米ツアーとの関係も深い上に組織としてもきちんとしている日本を参加させる方向で、最初から話は進んでいたというのが関係者の証言だが、それでも文句なしに資格を獲得できないのは、少し寂しいと言わざるを得ない。
実は第1回と謳っているもの、厳密に言うと「女子のW杯」は今回が初めてではない。数年前にやはり20カ国を集めてマレーシアと豪州で行われ、小林浩美や不動裕理が出場したこともあるのだが、それきり立ち消えになっていた。
というのも、今回のように米女子ツアー(LPGA)と欧州女子ツアー(LET)が主催というわけではなく、巨大スポーツエージェントのIMG主導で行われたものだったこともあり、スポンサーの都合で立ち消えになったというのが関係者の見方だ。
今度の大会は、元々南アのプロモーターが大会を計画し、それに代理店などが絡んで開催の運びとなったのだが、公式にはLPGAとLETが手を組んだ形で開催を発表しており、各国協会との関係からも、そうたやすく姿を消すものではなさそうだ。
今回の各国のメンバーを見渡すと、優勝候補は米国(ベス・ダニエル&メグ・マローン)、イングランド(ローラ・デービース&カレン・スタップルズ)、豪州(カリー・ウェブ&レーチェル・テスキ)あたりか。
スウェーデンもソフィ・グスタフソン&カリン・コーク組と強力だが、当初出場を表明していた女王、アニカ・ソレンスタムが出場を回避しているため、代表選手の中でも最も若い(平均年齢21.5歳)2人組の日本にも十分チャンスはある。
ここで実力を世界に知らしめ、また出場できるメジャーで活躍し、やがては米ツアー上位選手のいる国として、大会に出場して欲しい日本チーム。同時に日本ツアーも、欧米と大会を共催できるようになれば言うことはない。
そのためにも、宮里と北田への期待は限りなく大きい。
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