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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/22
2005/2/17更新
6月に初開催の「女子世界マッチプレー」で
米LPGAが「勝たせたい」天才少女の存在
 米LPGAでマッチプレーのイベントが開催されることになった。その名も「ウィメンズ・ワールド・マッチプレー」。今年の6月30日から7月3日まで、アメリカのニュージャージー州で第1回大会が開催されることになったが、この試合が米LPGAの人気復活の起爆剤になるのではないかと期待されている。

 新規の試合が開催されることになっても、普段ならさほど注目を集める事はないのだが、この試合の優勝賞金が50万ドルとLPGAの試合では過去最高のものとなることから、話題を集めている。USGAが主催する全米女子オープンで昨年、M・マローンが56万ドルという高額の優勝賞金を手にしたことはあるが、50万ドルというのは通常の試合の場合、約3試合分の優勝賞金に相当することから、この試合の出場権を巡って、シーズン前半戦が盛りあがるのではないかと見られている。

 そして、ワールド・マッチプレーと名付けられているように日本の選手も招待される。基本的には、今シーズン6月20日までのLPGAの賞金ランキング上位61名と、日本の賞金ランキングのトップ(日本のプレーヤーは6月13日までの賞金ランキングの予定)、そしてスポンサー招待2名の64名が出場できる。

 LPGAの人気アップのためには、本来ならミッシェル・ウィに出てほしいところだが、ウィはすでに出場最高枠の6試合に出ることを表明しているため「たぶん、来年から出ることになるだろう」(父親のB・J・ウィ)という。

 しかし、LPGAとしては、まだ成長過程にあるウィよりも期待をかけるプレーヤーがいる。米女子ツアーがいまひとつ人気低迷気味なのは、ソレンスタムをトップとするスウェーデン勢やセリ・パクに率いられた韓国勢など、外国勢にツアーが席巻されていることが挙げられる。そうした中で昨年、フロリダ出身のクリスティ・カー(27歳)が3勝を上げ、確実に実力を付けてきているのと、もう一人、今年は大型新人がプロ入りを果たしている。

 ポーラ・クリーマーというプレーヤーがその話題の新人で、カリフォルニア生まれ、フロリダ育ちの18歳。2003年のジュニア・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、昨年はショップライト・クラシックで惜しくも優勝を逃したが、年末のプロテストでは、2位に5打差をつけて堂々のトップ。全米女子アマでは、昨年、一昨年とセミファイナリストになるなど、ナショナルイベントでの優勝こそないが、過去2年間でLPGAの試合10試合に参戦し、半分の5試合でベスト20入りを果たしている。

 ここ数カ月、マネジメント会社がクリーマー獲得合戦を繰り広げていたことからもアメリカのゴルフ界が彼女にかける期待の大きさがわかる。結局マネジメント会社はIMGに決まった模様だが、それ以上に注目を集めたのは、LPGAの名物キャディ、コリン・キャン氏が、クリーマーのバッグを担ぐと発表したことだ。

 キャン氏はこれまでソレンスタムやグレース・パーク、そして過去4年はセリ・パクのキャディをしていた人物。「若いプレーヤーと組むのは楽しい。ちょっとギャンブルだけれど、新たな挑戦をするのも好きだからね」と語るキャン氏だが、キャディの収入はプレーヤーの成績次第。名キャディの目から見ても、クリーマーは、セリ・パクとのペアを解消するに値するほど有望ということなのだろう。

 クレーマーも「コリンがバックを担いでくれることになって、エキサイトしている。私達は息が合っているし(昨年のプロテストでペアを組んだ)、長い付き合いをしたいわ」という。

 LPGA関係者としては、アメリカ出身のクリーマーが活躍し、ついでにマッチプレーあたりで優勝してもらい、ツアーの人気回復を図りたいというのが本音だろう。果たして日本の宮里藍のような存在になれるだろうか?

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