第1回女子ワールドカップを制した日本代表の宮里藍(19)と北田瑠衣(23)が帰国後初めて、日本女子プロ協会の樋口久子会長とともに優勝報告会見を行った。
------第1回目で優勝ですね。
藍 日本代表で出場できたこと、世界で「アイ」という名前を覚えてもらえて満足です。初日、2日は瑠衣さんが流れを作り、最終日に自分の力を発揮できました。
北田 1回目の日本代表に藍ちゃんと選ばれたこと、そして優勝できたことを誇りに思います。来年もぜひ代表に選ばれたい。
------歴史に名を残しましたね。
藍 日本を離れて南アフリカでのプレーが、今年初めての試合、今年の流れを決める大切な試合でもありました。そのような大会で歴史に名を残すことは難しいので、嬉しいです。
北田 経験したことのないプレー方法でしたし、最終日に82。あの難しいコースで藍ちゃんは67という驚異的なスコアで私を優勝に導いてくれました。
------ゴルフの怖さを感じましたか?
北田 ショット自体は悪くなかったのですが、パットの調子が……。とくに短いのをことごとく外していました。最終日16番のグリーンでスコアボードを見ると2位と1打差。そこで3パットをしてしまったんです。残り2つ、必ずバーディを取らなきゃね、と2人で話しました。17番で藍ちゃんが果敢に攻めて、バーディチャンス。私はカップまで6メートル。バーディを取りたいという気持ちがあったほうがいいと思いました。お願いだから入ってと思いながら。いろいろゴルフの怖さを経験できたことが、私にとっていい経験でした。
------2人のプレーの相性は?
藍 初日は私が緊張している中で、瑠衣さんは自分のペースを作っていました。つねにマイペースでプレーすることを瑠衣さんから学びました。瑠衣さんは全体的に安定したゴルフなので、私は攻めていきやすかったですね。
北田 昨年もトーナメントで回ることはありましたが、藍ちゃんはすごく上手いなあって。さらにメンタルの強さを学びました。藍ちゃんがオーストラリアで3日目までトップに立っていたのを見ても、やっぱりなって思うほどでした。
樋口 宮里さんはリーダーシップを取るタイプ。最終日、北田さんのパットの調子が悪いときでも宮里さんが『大丈夫? 頑張りましょうよ』と下から顔を覗き込むと北田さんが『うん、頑張ります』というように。野球に例えると、4番バッターが大勢いてもダメでしょ。日本代表はチームワークが良かったですね。
------ワールドカップ優勝で女子ツアーは変わりますか?
樋口 ゴルフ専門誌ばかりでなく、一般誌までも注目するようになり、ゴルフをしない人でも女子ゴルフ界を知るようになっています。若い2人が世界で活躍する姿を小さい子供たちが見て、『アイちゃん、ルイちゃん』と、あのお姉さんみたいになりたいと、思ったことでしょう。これで底辺が拡大し、ゴルフ界がさらに活性化するはずです。
さらに樋口会長は、会見の翌日、宮里藍が今年米ツアーを目指すことに理解を示した。「世界で活躍したい、世界一になりたいという夢を止めることはできないですね。世界で活躍してくれれば、相乗効果でゴルフ界も良くなりますから」
今回の優勝で、女子ツアー人気がさらに膨らんだだけでなく、日本ツアーから世界進出へのお墨付きも得たようだ。
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