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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/12
2005/4/6更新
4年間の長い仮オープンの後、わずか7年で倒産
高級志向の山武グリーンCC、結局は外資の運営に
 18Hのコース建設に総額約370億円もの大金を投入し、7年前に漸く正式オープンした山武グリーンCC(千葉県)を経営する株式会社山武グリーンカントリー倶楽部(以下、山武社)が、3月14日、民事再生手続の開始を申し立てた。

 同CCは旧平和相互銀行から事業を引継いだ山武社が、旧住友銀行グループの支援を背景に開発、平成6年7月、仮オープンにこぎ着けたコースで、山武社にはコース建設の施工を請け負った鹿島建設と、住友グループの企業が20パーセントずつ出資しているほか、理事長には鹿島建設顧問の宮崎明氏が就任、理事も財界の著名人を頂く高級コースであった。

 しかし折からの地価高騰で用地の取得費など建設費が膨らんだ上に、平成4年から一口3300万円(うち預託金は2800万円)で募集を開始した会員権の販売も苦戦を強いられ、会員数は現在でもわずか224。

 仮オープンから平成10年7月の正式オープンまで、まる4年も間隔が開いたのも、会員募集が計画通りに進まなかったことが原因。「当初は会員募集が完了したら正式オープンにする予定だったが、募集が思うように進まず、のびのびになってしまった。1280口の募集に対し、せめて500口ぐらいはクリアしてからと思っていたが、東金道路の成東インターチェンジのオープンを機に、集客に期待が持てると考え、いつまでも仮オープンの状態ではよくないという判断で、平成10年7月、正式オープンにした」(山武社中島栄三代表)。

 仮オープン時を起点にするなら預託金の償還期限は昨年7月に到来していたことになるが、会社側は「正式オープンが起点になるので償還期限はまだ到来していない、というのが当方の解釈。一部償還を求めてこられた会員もいたが、この説明で納得していただいたので、過去、償還は一切行っていない」(同中島代表)という。

 従って、今回の申立原因は預託金問題ではない。借入金でコースを建設したのに、会員権募集が進まなければ、当然借入金は残ったままになる。民事再生申立時点の負債総額は369億円と、18Hのコース1コースだけの経営会社の負債としてはかなり多い。

 そのうち預託金はわずか62億7200万円で、残る306億円のうち、283億円が旧住友銀行グループからの借入金で、この部分は既に昨年夏、RCCに譲渡されている。

 これだけの借入金が残ると金利負担も当然重くなる。

 3月17日に会社側が開いた説明会の席上公表された過去の業績でも、売上高はここ数年9億円前後を維持しながら、年間約3億5000万円かかる金利負担が、そっくりそのまま最終赤字として残る形になっている。

 9億1300万円の売上高を確保した平成15年7月期には、1600万円の営業利益を計上したが、金利負担で結局当期利益は3億5200万円の赤字。売上高が8億7900万円に落ち込んだ平成16年7月期には赤字が4億1200万円に拡大した。

 積もりに積もった累積損失は110億円に上るが、そのうち、金利部分は実に91億円。つまりは金利負担に耐えきれないため申立に踏み切ったわけだ。

 気になる今後の動向だが、ローンスターグループのパシフィックゴルフマネージメントに運営を委託し、平日の集客力向上を狙う一方、スポンサーを探し、予定では3カ月後に再建計画案が提出され、半年後には債権者集会で計画案の可否を問う。

 すでに創業社長で、山武社の石橋由紀子会長の弟にあたる深掘清氏は、昨年RCCに債権が移った時点で引責辞任しており、残る幹部も「しかるべき時期に退任する」(中島代表)という。

なお、系列のグリッサンドゴルフクラブ(千葉/旧ザ・プリビレッジGC)については「人的交流はあるが、資金的には一切関係はなく、グリッサンドGCに影響が及ぶことはない」(中島代表)としている。

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