アニカ・ソレンスタムが今季メジャー初戦クラフト・ナビスコ選手権で圧勝した。通算(米ツアー)59勝目をゲットしたアニカに直撃インタビュー。
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女子ツアーはアニカの「一強時代」
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------今季3戦3勝、ナビスコ3勝目を圧勝で飾った率直な感想を聞かせて下さい。
「素晴らしい気持ちです。これほどすべてがうまく行くとは考えていませんでした。いいショットもたくさん打てたし、多少ミスをしてもいいキックで救われました。車を運転すれば青信号ばかりでノンストップ。ラジオをかければお気に入りの音楽ばかりが流れる(笑)。すべてが完璧で決して忘れることのできない1週間になりました」
------いとも簡単に勝ってしまったように見えましたが?
「今まで1度だって簡単に勝てたことはありませんよ。ゴルフは何があるかわからない。最後の1打を沈めるまで結末はお預けです。特にこのコースでは難しいし、我慢のゴルフが続きました。できるだけ冷静になるよう精一杯努力したつもりです。いくら差が開いても常に緊張していました」
------出場5試合連続優勝、さらには年間グランドスラムもあるし、重圧があったのでは?
「そういうことは考え出すときりがないので、余計なことはすべて切り離し、この試合でいいプレーをすること、1打1打に集中することだけを考えていました。プレッシャーはもちろんあるけれど、意識過剰にならないようにね」
-------年間グランドスラムの権利をまずは1つクリアしたわけですが?
「これでメジャー8勝目。その勝星を『10』までは伸ばしたい、という気持ちは強いです。昨年は『年間グランドスラムを目指す』と公言して、まず最初にここ(ナビスコ)でつまずいて悔しい思いをしました。でも今回はこの通り。念願通り(18番の)池にウィニングダイブ(飛び込んで)して、全身ずぶ濡れ! 最高の気分です(笑)」
------昨年から出場9試合中7勝のハイペースですが、これだけ勝ってなおモチベーションを持ち続けられるのはなぜ?
「自分がまだ上手くなれるかもしれない、という可能性を感じているからです。たとえイヤなことがあっても、コースに来てロープの中に入ればそこが私のアリーナ。ゴルフを心から楽しめるうちは、このアリーナ(舞台)で自分の力を試したい」
------記録に挑戦したい、という思いは?
「もちろんあります。今回ナンシー(ロペス)の(5試合連続優勝の)記録に並べたのはとても光栄なことですし、自分にも手が届きそうな記録なら挑戦し続けていきたい。それが励みになって毎朝新たな気持ちでゴルフに打ち込めるのです」
------キャシー・ウィットワースの通算88勝がありますが?
「私は1度もキャシーの記録を抜きたい、と口にしたことはありません。今59勝ですから、彼女に並ぶにはあと29も勝たなきゃいけないんでしょ? これは大変。現地点でそれを目指したいとは考えていません。でも今は自分がすごく良いゴルフをしているというのを感じているし、もしかしたら、ゴルフ人生のピークに近づいているのかもしれない、という思いはあります」
------ということは、まだピークには達していない?
「達しているかもしれないし、達していないかもしれない。すべての面で日々進化している自分を感じているのは確か。自分のゴルフのパーツ、パーツをうまく組み合わせることができるようになったことが、もしかしたらピークに近づきつつあるのかもしれない、と考えるようになった根拠でもあります。以前も私はショットに大きな自信を持っていたし、パターも上手いと自負していました。でも時にそれが噛み合わず、ショットはいいのに(パットはいいのに)なぜスコアにならないんだろう? と悩んだ時期がありました。でも今はそれらをすべて自分の意志で噛み合わせられるようになった。それがトーナメントに勝つ唯一の方法なのです」
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