今季勝星のなかった不動裕理がようやくサロンパスワールドレディスでシーズン1勝目を挙げた。待ち望んだ半年ぶりの勝利にさすがの5年連続賞金女王も喜びを隠し切れなかった。
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そろそろ本領発揮
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------久々の優勝、ホッとしているのでは?
「そうですね。勝てずにかえって応援が増えて、毎週すごくたくさんのギャラリーの方に声をかけていただいたんです。心配をかけた皆さんには、『お待たせしました!』と言いたいですね。早く勝って皆を安心させたいと思っていたので、優勝できて良かったです」
------勝てなかった時期は苦しかった?
「これまではあまり思ったようなゴルフができなくても上位に入れていたのに、今年は上に行けず、本当にたくさんの人に心配をかけてしまいました。自分のためにというより、皆のためにもっと頑張らないと、と思っていました。ときには私の知らないところでミーティングが開かれていて、いい環境を整えた方がいいのでは? といった意見まで出されていたそうです。本当に周囲の方々に心配をかけていたんだな、と。自分としては予選も通っていたし、そんなに悪くないとは思っていたのですが」
-----3日目の『64』が効きましたね。
「実は60台を出したのは、今シーズン初めてだったんです。このコースは難しいけれど、なぜか相性がいい。景色もきれいだし、きれいなコースだとスコアが悪くても、忘れられるのかもしれません」
------決着は大山さんとのプレーオフになりましたが。
「最終日の18番でピン左奥に乗せてしまった時点で3パットを覚悟しました。あのティショットは方向は良かったんですけど、落ちてからボールが跳ねましたね。ピン左12~13メートルというパットは、下りで凄く速いからイメージできなくて、グリーンから出ないように打つことだけを考えました。結局3パットでプレーオフ になったわけですけど、大山さんと一緒に回れるのならいいかな、と思いました。(最終日の)後半パー5でバーディが獲れていればラクだったんですが、まぁ今年初めての優勝争いなので仕方ないですね」
------緊張は?
「していましたよ。久し振りなんで最終日はパッティングが思うようにいきませんでした。15番のバーディパットから力が入って、強く打ってしまいました。自分でも緊張しているのがわかったくらい」
------これまでの優勝の中で何番目くらいにうれしい?
「3番か4番目くらいかな。日本オープンやメジャーの次くらいにうれしいです」
勝てなかった時期、親しい新聞記者に「去年のミズノクラシックを体調不良で欠場してから、それまでの良かった流れが途切れてしまったような気がする」 と漏らしていた不動。
昨年は区切りの永久シード、30勝も達成しホッとした部分もあったのかもしれない。が、憎らしいほど強い不動がいるからこそ、藍やさくらの存在も際立つのだ。だから女王は常に強くあらなければならない。
今回も最終日12.5パーセントと巨人戦並みの視聴率を稼ぎ出した女子ツアー。これまでゴルフに縁のなかった主婦層にまで女子プロ人気は浸透しているというから驚きだ。
そんな中、不動が勝ち、役者が出揃ったことで女子ツアーはこれから夏に向け、ますます盛り上がりを見せるに違いない。
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