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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/7
2005/6/2更新
「藍とさくら」の組合わせばかり目につく
女子プロツアーの不可解なペアリング

 藍とさくらの組み合わせばかりが目につくのは、なぜ? 宮里藍のブッチ切りで、優勝争いの興味が薄れた大会にもかかわらず、最終日の視聴率が13.7パーセント(ヴァーナル・レディース)と、国内女子ツアー人気はとどまるところを知らない。だが、その一方で「まぁた、この2人が一緒?」という声が噴出しているのも事実だ。


確かにお客は呼べるだろうけど

 開幕戦ダイキン・オーキッドから、ヴァーナル・レディースまでの7試合で、宮里が欠場したカトキチクイーンズを除く6試合、19ラウンドのうち、宮里藍、横峯さくらが同じ組でプレーしたのは実に9ラウンド。

このうち、前日までのスコアによるものが3ラウンド。他の6ラウンドは最初から組み合わせられたものだった。

 欧米や国内男子ツアーで、こんなケースはまず見られない。もちろんマンデーを勝ち抜いた選手やQT組などが、早朝や遅いスタートとなり、シード選手の中でもスタープレーヤーがいい時間にスタートするのは普通だが、同じ顔ぶればかりが同組になったりはしないのだ。

それなのになぜ、日本の女子ツアーに限ってこうなのか? ある関係者は「やりすぎですね」と呆れ顔で事情を明かす。

「日本の男子にはスタート時間に関する内規があるが、女子には何もない。主催者、テレビ局、運営関係が組み合わせを作り、(日本女子プロ)協会がこれを承認している。原案がほとんどそのまま通っているようです」

 男子の規定は組み合わせそのものではないが、実績による出場権のカテゴリー(B)と生涯獲得賞金ランクや裏シードなどのカテゴリー(A)QT上位者と主催者推薦(C)に分け、いい時間のスタートをカテゴリーBの選手に振り分ける事を『ガイドライン』として文面化しているものだ。

 それに対して女子には、これといった規定がない。

「確かに今年は、初日からテレビ中継がある試合がすでに3試合という前代未聞の事態なので、気持ちはわからなくもない。でも、ちょっとやりすぎ。理想は、注目されている2人がいい成績を出して、スコアで同じ組になること。普通は、今季のペアリングを全部チェックして、なるべく同じにならないようにするのが常識です」と、大会側の意識に疑問を投げかける関係者も多い。

 この点を女子プロ協会はどう考えているのか。

「現段階では、組み合わせの問題などは議題にあがっていません。主催者の意向を承認しており(スロープレーヤーが一緒にプレーするなどの)進行上の問題以外は、それを拒否することもない」と、TPD委員会担当の小林洋子副会長は言う。つまりはすべて、主催者次第ということ。

 現在の女子プロ人気を引っ張っているのが宮里、横峯なのは言うまでもないが、他に目玉となる選手がいれば、いくつかの組み合わせが考えられるはず。

 だが、不動裕理、服部道子などは実力の点で申し分なくとも、人気となると2人に及ばないのが実情で、北田瑠衣、古閑美保などは逆に人気の方が先行していると言っていいだろう。

 これらの選手に加えて、諸見里しのぶ、金田久美子らアマチュア選手がからんで、核となる組をいくつか作っているわけだ。

 結局、実力、人気ともに揃っているという点では、宮里、横峯の2人が飛びぬけているから起きるワンパターンのペアリング。よくよく考えてみれば、コマ不足の割には、人気が先行しているのが原因だろう。人気が出たことで、逆に「選手層の厚さはまだまだ」という事を露呈する結果を生んでいる。

 ゴルフファンなら、いまの女子プロ人気が続いて欲しいのはやまやまだが、宮里藍は本人も表明しているように、「海外志向」の選手。男子でいうなら、丸山茂樹のように、やがて日本ツアーから姿を消すのは間違いなさそうだ。

 そうなる前に、どうするか。これまでのように、各地のジュニアが育ってくれるのを待っているだけでなく、スポンサーの意向を汲みつつも、「飽きさせないツアー」を作り出すための対応策を考えておかないと、せっかくの人気も一過性のもので終わるかもしれない。

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