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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/21
2005/6/15更新
日本で初めて開催した全米OP最終予選
「門戸開放」で出場権を得た3人のプロ

 プレーばかりではなく、出場権を獲得するのも世界で最も過酷なトーナメントと言われる全米オープン。今年から米国以外の会場(日本とイギリス)でも最終予選を行うようになり、世界に先駆けて5月30日、日本会場となった小野GC(兵庫)で17人が参加し、3つの出場枠を巡って1日36ホールのサバイバルゲームが展開された。


日本人プロは深堀だけ

 日本とイギリスを含め16会場で行われる全米オープンの最終予選出場カテゴリーは24項目あり、そのうち日本と関わりがあるのは、04年と05年のUSPGAツアー以外の「公式と認められるツアーの優勝者」という項目。

 その申込締切は4月27日で、日本ツアーでは昨年の東建ホームメイトから今年のつるやオープンまでの優勝者に権利があり、16人(アジアツアーからの1人を含む)が名乗りを挙げていた。

 そこに「アメリカでプレーをしたのは生まれて初めて」という川根隆史(日大出身・23歳)が、5月16日にカリフォルニアのラキンタで行われた地区予選を突破して加わり、参加者は17人になった。

 ところが、肝心の日本からの通過人数がなかなか明らかにならず、予選を事実上仕切る形になったJGA(日本ゴルフ協会)に「3人」という数字が伝えられたのは開催直前の5月26日。

 USGA(米国ゴルフ協会)のエグゼクティブディレクター、デービッド・フェイ氏は「出場者の厚みからすれば通過者が3人というのは、他会場と比べ有利ではあるが、それだけ我々が日本とアジアに期待しているということと理解して欲しい」と説明。人数割り当てに関して、USGA内部で相当な議論があったと推測される。

 3枠を巡る争いの第1ラウンドは午前7時スタート。三々五々近隣のゴルフファンやクラブのメンバーなどギャラリーも詰め掛け、その数は800人近くにもなり、本格的なトーナメントの雰囲気も。

 学生時代に日本オープンの出場経験はあるものの、まだツアーには出たことがないという川根が「こんなたくさんのギャラリーの前でプレーしたのは初めて。緊張しました」と言葉を洩らすほど。

 そんな中、18ホールを終了した時点では、Y・E・ヤンとS・K・ホの韓国勢が4アンダー、68でトップタイに立った。以下、69でスティーブン・コンラン(豪州)とチャワリット・プラポール(タイ)が続き、日本勢は深堀圭一郎と高山忠洋が71で追うという何やら日本の男子ツアーが置かれた境遇を象徴するような展開に。

 12時からスタートした後半でもコンランは快調にスコアを伸ばして67をマークし、トップで当確。Y・E・ヤンは70でトップの座を譲ったものの2位となり出場権を確保。3枠の中に入れる日本人選手は皆無かと思われたのだが、69でまわった深堀が、72と足踏みしたS・K・ホをキャッチしサドンデスプレーオフに突入。

 1ホール目(1番パー5)で深堀が「2ホール目には行きたくなかった」という4メートルのバーディパットをねじ込み、ホを振り切って3席目の切符を奪った。

 メジャーに関しては2度の全英オープンの出場経験がある深堀だが、全米オープンは、昨年もアメリカでの最終予選から挑戦して敗退していただけに、「新しいカテゴリーのおかげでチャンスをもらえた」と素直に喜んだ。

「全米オープンといえば、僕がゴルフを始めた頃、青木さんとニクラスの死闘を見て感動したのを覚えています。そういう舞台に立てるのは凄く嬉しいですね。難しいセッティングになると思いますけど、その経験が僕のゴルフの成長になると思います。ボロボロになった4日間ではなく、精一杯やった4日間にしたいですね」(深堀)

 この予選は、会場は未定だが、来年も同様に行われる予定。これまで、とかくアメリカ中心の雰囲気が強く、日本にとっては『狭き門』という感が否めなかった全米オープンがせっかく門戸を開いたのだから、3席すべてを外国人勢に奪われないよう、日本選手のさらなる奮起を願いたい。

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