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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/12
2005/7/7更新
「へそ出し」ファッションの影響じゃないけれど
中高年向け「ローライズ・パンツ」が流行の兆し

 女性用ゴルフウェアは世間の流行を取り入れて大きく様変わりしている。宮里藍、横峰さくらを筆頭に若手女子プロの間ではへそチラのローライズパンツが定番となっている。これに対して男性用ウェアは、相変わらずオヤジファッションの代名詞と見られているのが現状だ。

 若手ファッションの主流となっているローライズとは股上の浅いパンツのこと。しかし男性用のゴルフパンツはベルト位置の高いハイウエストが一般的だ。

 そこで男性ゴルファーにもローライズと提案したのが、従来品より股上を3センチ浅くしたミズノの「ノンストレススタイリッシュパンツ」だ。

 実はこれ、スポーツウェアとしての機能性を真面目に考えた末のデザインだという。もちろん実際にへそが露出されるわけではないので安心してほしい。

 ミズノが、自社サイト「ゴルファーズランド」上でゴルフウェアに関するアンケート調査を実施したところわずか1週間足らずで実に1000件にも及ぶ回答が集まった。

 その多くはゴルフスラックスに関するもので、「お腹だけ太って履けるパンツがない」「ウエストで選ぶとお尻と太股がぶかぶか」「プレー中にパンツが下がり気味になる」といった意見が寄せられた。

 ゴルフパンツのウエスト位置は、もともと中高年を意識して作られていることが多く、おへその上辺りだが、あらゆるスポーツウェアの中で、これほどウエスト位置が高いものはない。とくに内臓を締め付けることにより弊害は大きい。

 「腹部は鎖骨や骨盤のように固い骨格に守られていないので、締め付けに対しての感覚が腰周りなどに比べて10倍も鋭く、これが不快に感じる原因となっています」(ミズノ商品開発部/上向井千佳子氏)

 また、同社の実験によれば、実際に内臓が圧迫されることにより、複式呼吸が妨げられるため、1回の呼吸が浅くなり、その分呼吸が早くなるという結果が出ている。股上の不快パンツで運動した場合、ゴルフ程度の運動強度で、股上の浅いパンツに比べ16パーセントも呼吸回数が増えるという。

 つまり、常に息が上がった状態のため、ゴルフ中にはミスショットの確立が高くなるばかりか、中高年にとっては心臓の負担を大きくすることにもつながりかねない。

 その点、腹で履く股上の浅いパンツならば腹部を締め付けることがないので格段に快適だ。

 合気道の考えを取り入れるなど呼吸法の大切さを説く佐藤正一プロにも聞いてみた。

「ウエイトリフティングの選手が瞬間的なパワーを出すためにベルトでお腹を締めるように、飛ばすためにはベルトをきつく締めた方がいい。ただ、いつも締めっぱなしは力が入ってしまうので、アマチュアの人にとってはよくない。また、お腹でなく胸で呼吸をしているということは、すなわち気が上ずってしまっている状態ですから、これでナイスショットをするのは難しい」とローライズの効用を認める。

 ローライズのもう一つの長所に、スタイルをよく見せてくれる効果がある。これは中高年の体型にフィットしたデザインで、下半身をすっきり見せるようにねらったものだ。

 アンケートでも多かったパンツのずり下がりも体型にフィットしていないのが原因。お腹の一番出っ張った部分をベルトでいくら締めても、終いにはシャツの裾がはみ出し、だらしない状態になってしまう。それなら最初からウエスト位置を低くすればいいという発想だ。

 もちろん、ただ股上を浅くしただけでは、しゃがんだり立ち上がったりする動作の多いゴルフでは、それこそシャツの裾がはみ出してしまいかねない。そこで全部を浅く、ヒップを深くする立体的な裁断で防いでいる。

 快適なフィット感が得られ、プレーに集中することでスコアアップ効果も期待でき、しかも足長に見せることのできるローライズ。お腹の出っ張った中高年ゴルファーには朗報だが、快適さに甘えて、お腹がさらに成長しないようにくれぐれも気をつけたいものだ。

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