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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/2号
2005/7/27更新
ソフトバンクが本間ゴルフのスポンサーに?
20億円融資の背景とこれからの動き

「本間ゴルフのスポンサーの本命はソフトバンクでは」。6月20日に民事再生手続きの開始を申立てていた本間ゴルフについて、7月10日前後から、ゴルフ業界にこんな噂が広がっている。原因は7月7日付の日本経済新聞が「SBIホールディングスが本間ゴルフに、ファンドを通じて20億円のつなぎ融資枠を設定したと発表した」と報じたことにある。

 更生計画や再生計画が認可を得て、スポンサーから資金が入るまでの間のつなぎ融資は、専門用語で『DIPファイナンス』と呼ばれるが、このDIPファイナンスの出し手がスポンサーに就任するケースが多い。

 ソフトバンクのグループ会社がDIPファイナンスを付けたのだから、本間のスポンサーはソフトバンク、というロジックが、この噂の原因であることは容易に想像がつく。

 ただ、SBIホールディングス(以下、SBIH)は、ソフトバンクの100パーセント子会社であるソフトバンク・ファイナンスが筆頭株主とはいえ、両社はまったく別の会社だ。

SBIHの旧社名はソフトバンク・インベストメント。ベンチャー企業に投資するファンド事業や、投資顧問、オンライン証券、商品先物、住宅ローンに消費者ローン等を手掛ける総合金融会社。代表の北尾吉孝氏はソフトバンクの孫正義社長が野村証券からスカウトしたソフトバンクの主要幹部だが、ここ数年は金融・投資事業に事実上専念している。

 5年前には96パーセントを超えていたソフトバンク・ファイナンスの持ち株比率も徐々に低下、今年3月にSBIHが増資を実施したことによって、38.2パーセントにまで下がった。北尾氏もソフトバンク本体の取締役を退くなど、資本関係も人的関係もさらに希薄になっている。

 しかし依然として残る「SBIHとソフトバンクは一心同体、北尾氏の現れるところにもれなく孫氏がついてくる」かのような世間の根強い固定観念については、北尾氏自ら不快感を露わにすることが少なくない。

 ライブドアによるニッポン放送買収騒動の際にも北尾氏はホワイトナイト(白馬の騎士)として登場したが、北尾氏の動きを孫正義氏と一体で捉える見方に猛反発、会見の席上でも「今回の判断に孫氏は一切関係ない」と言い切っている。

 さらに今回のSBIHの子会社による本間ゴルフへのDIPファイナンスは7月6日に発表されているとはいえ、実際に融資枠を設定したのは5月17日。本間ゴルフが民事再生手続きの開始を申し立てる1カ月以上も前だ。

 民事再生申立前の緊急融資なので、手続きの開始決定が下りてから出されるDIPファイナンスとは厳密な意味では異なる。このためSBIHではわざわざ『プレDIPファイナンス』という表現をとっている。

 SBIHは企業再生のためのファンドを昨年夏に設立しており、今回の融資枠もそこから出ている。企業再生ファンドの融資を受けるなどということが民事再生申立準備段階で明らかになってしまうと、信用不安を引き起こしかねないとの配慮がSBIH側、本間側双方にあったことは間違いない。

 しかもこのプレDIPファイナンスは、近々中央三井信託から出る正式なDIPファイナンスに借り換えられる。SBIHは倒産会社のスポンサーに就任する形での企業再生も手掛けるが、「今回のケースに限っては、当社がスポンサーに名乗りを上げて再生まで手掛けることはありえない」(SBIH)という。

 文字通り再生手続きの開始申立を行い、開始決定が下りて正式なDIPファイナンスが付くまでの『つなぎ融資』だったわけだ。

 SBIHはスポンサーにはなり得ないとしても、それではソフトバンクもまったくあり得ないのだろうか。ソフトバンクはヤフーの発行済み株式の41.8パーセントを握る大株主であり、会長は孫正義氏だ。オンラインショップとのコラボレーションも、などとついつい想像を逞しくしてしまう。

 民事再生申立直後、本誌の取材に対し「現在2社のスポンサー候補と接触中」と語った本間ゴルフに「その2社の中にソフトバンクは入っていないと考えて間違いないか」との質問をぶつけてみたところ「今は入っているとも、いないともお話出来ない」という返答。今後の動きが注目される。

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