ゴルフダイジェスト雑誌・出版情報> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/2号
2005/7/27更新
「藍ちゃん効果」で人気のスチールシャフト
カーボンから替えたい人にプロからのひと言

 日本シャフトのNS950の登場以来、アイアン用軽量スチールシャフトがブームとなっているが、その一挙手一投足に注目の集まる宮里藍が、カーボンから軽量スチールにスイッチしたとあって、さらにブームが加速している。


女子プロにもスチールシャフト使用者が増えている

ここ最近、軽量スチールを試す女子プロが増えている。スチールシャフトの一番の長所はボールの安定性。とくに縦方向のブレが少ないのが特徴で、スチールを使い続けている横峯さくらは、「カーボンだとヘッドの入り方によって、10~15ヤードも飛距離が違う」とスチールにこだわる理由を説明する。

 カーボンで育った宮里藍が、渡米前にスイッチした理由も同じだ。女子ツアーでは、今シーズンに入ってから、宮里以外にも何人かの選手がスチールをテストしている。

 何種類かのスチールを試した藤井かすみは、「105グラムのダイナミックゴールドも試したけど、いま使っている65グラムのカーボンとの40グラムの差は大きすぎ。重いシャフトはヘッドが下りてくる位置が変わってしまう。その点TX-90は軽くて思ったより弾く感じで、しなり方もすごくいい」と軽量スチールに手応えを感じている様子だ。

 また、クラブを替えないことで知られていた大山志保も5年使っていたカーボン+TゾイドからNS950+V-iQフォージドにスイッチし、「フェアウェイから打ったときの差は感じないが、ラフからのフライヤーの距離が安定しました」とメリットを挙げている。

「スチールを使った方がゴルフの内容がよくなる人は多いはず」と話してくれたのはキャロウェイゴルフのプロツアー担当の中島淳氏だ。その理由は明快。

「スチールの方がグリーンで確実に止められるからです。ハズしても手前というのがゴルフの鉄則ですが、カーボンは途中でスピンがほどけてしまって、2番手も奥へ転がることがあります。これはスチールではあり得ないことです」

 その一方で、スチールを使いたがらない選手も多い。

「スチールは重くてボールが上がらないという思いこみが強いようです。最初に重く感じるのは当たり前ですが、1球打っただけで、自分のスウィングに合っているかどうか見極める前に諦めてしまっている」(キャロウェイゴルフ/中島氏)

 実際に重さが壁となっているのは事実だ。某メーカーのツアーサービス担当者の意見は、

「スチールを使ってみたいという女子選手が毎年5、6人はいます。彼女たちは、オフの間に体力トレーニングをして体を慣らすと口を揃えるものの、ほとんどの選手がオフの間に断念するか、長くても5月くらいまでしか持ちません」

 6月のプロミスレディス、練習ラウンドで回った仲の良い長谷川慶子に触発され、早速軽量スチールに入れ替えたが、翌日プロアマのハーフを終わった段階ですぐにカーボンに戻した北田瑠衣のような例もある。また、軽量スチール人気の反面、アマチュアでもスチールからカーボンにUターンする人は多いようだ。

 スチールがいいからと単純にはすすめられないというのはゴルフレンドの大野照男氏だ。

「カーボンから替えるならできるだけ重量の軽いものを選んで、少しずつ重くしていった方が無難。リシャフトの場合は、総重量のほかにスウィングバランスも問題になります。カーボン用の重いヘッドにスチールを入れるとスウィングバランスが重くなる。通常はシャフトを半インチくらい短く切って合わせますが、ヘッドとシャフトによっては希望のバランスに合わせきれないケースもあります。重さは振っているうちに慣れますが、バランスは振りやすさを左右します。一番大事なのは自分がヘッドをもっとも走らせることができるバランスを見つけることです」

 従来はボールを楽に上げて飛ばしたければカーボン、しっかり距離を打ちたい力のあるゴルファーはスチールと、選択肢ははっきり分かれていたが、その中間を埋めるシャフトとして登場した軽量スチール。交換するときは慎重に行うのが賢明のようだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です