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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/9号
2005/8/5更新
プロデビュー10年目でメジャー10勝
タイガーが二クラスの18勝を超える日

 タイガー・ウッズがいつジャック・二クラスの持つメジャー18勝という記録を超えるのか? 二クラスの引退試合となった先の全英オープンで、タイガーが「2度目のグランドスラム」と同時にメジャー10勝目を達成。ベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤーのメジャー9勝を越えて、ウォルター・ハーゲン、二クラスに次ぐ、史上3人目の2桁勝利を飾ったことから、来月の全米プロを控えて、何かと二クラスとタイガーの比較論がアメリカのゴルフ界を賑わしている。

まだ29歳

「何か折り返し地点を越えた感じ。ジャックが18で、僕が10。正直に言うと、ツアーでプレーを始めたとき、30歳になる前までにこんなにメジャーに勝てるとは思っても見なかった。普通、(プロ)ゴルファーの黄金期というのは30代になってからだろう。だから、29歳でメジャー10勝も出来るとは思わなかったし、僕の場合も黄金期がこれからやってくると思いたいね」と、タイガー本人は語っている。

 だが、年齢から比較すれば、すでにタイガーは二クラスを超えている。二クラスが2度目のグランドスラムを達成したのは、メジャー出場37試合目の31歳の時で、メジャー10勝目は32歳。

 これに対してタイガーは、メジャー出場35試合目、年齢では二クラスより3歳若くして、メジャー10勝を果たしている。そのため、これまでのように「タイガーは二クラスを超えられるか?」といった話題から、「タイガーはいつ二クラスの記録を更新するのか?」という話題に変わってきているのだ。

 記録という点では、まだ、ウォルター・へーゲンのメジャー11勝というのがあるが、これを超えるのは、時間の問題。また、生涯アマチュアを通した球聖ボビー・ジョーンズは、全米アマ、全英アマを含めたメジャーで13勝をあげているが、タイガーもプロに転向する前の全米アマ3連勝を含めれば、ジョーンズと同じメジャー13勝ということになる。

 1920年代に活躍したヘーゲンやジョーンズと比較することには意味がないかもしれない。しかし少なくとも近代ゴルフにおいては、「二クラスがもっとも偉大なプレーヤーであることは間違いない」(タイガー)だろう。

 そして、今そのタイガーが二クラスに代わり、「史上最強のゴルファーになる」と、名乗りをあげている。タイガーが二クラスのメジャー18勝を目標にしていることは、すでに良く知られていた事実だ。それについて全英オープンの優勝インタビューで、二クラスを追いかけることは、プレッシャーを感じて大変ではないかと聞かれて、こう答えている。

全然プレッシャーはないよ。ジャックは18勝をするのに25年を要しているんだ。もっと重要なのは、メジャーでジャックはトップ3かトップ5か忘れたけれど、54回ぐらい入賞しているはず。いや、確かなのは2位に19回もなっていること。この記録は18勝したことより、もっと凄いことだと思う。ジャックほどメジャーで安定したプレーを見せたプレーヤーは、過去に一人もいない。ただ、僕は自分のキャリアでこんなに早い時期にメジャー10勝をモノにできた今、30代でいい年が幾つ来るか楽しみにしているし、できれば40代に入っても、そんないい年があればと思っている」

 つまり、メジャー19勝かそれ以上を目標にしていることを公然と認めたうえで、それを達成するためには、十分に時間的余裕があると、自信の程を語っていた。

 タイガーがプロデビューして10年でメジャー10勝。30代で本当の黄金期を迎えるとすれば、39歳といわず、30代半ばの18勝達成もありえそうだ。

「金の熊」と「虎」、どちらが強いかと問われても、いま答えるのはむずかしいだろう。しかし「タイガーは一時期、他のプレーヤー達に追いつかれそうになったが、またその実力が頭一つ抜きん出たことを今回の全英オープンで証明した」(ピーター・ドーソンR&Aチーフエグゼクティブ)ことだけは、間違いなさそうだ。

 タイガーがニクラスを越える日は予想以上に早く来るかも知れない。

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