『ゴルフ好き』の割合が日本一多い都道府県は? その意外な答えが、笹川スポーツ財団から発表された調査データから分かった。当のゴルフ関係者に、その実感は薄いようだが……。
スポーツ団体に対する助成事業やスポーツ振興関連の調査研究事業等を行っている笹川スポーツ財団では、92年から隔年で「スポーツライフに関する調査」を実施している。
今回、そのうちの最近5回分(96年~04年)を再分析、調査サンプル総数が合計1万681人にものぼるため、かねてから要望の多かった都道府県別のデータが得られたとして、今回発表された。
ただし、調査実施時期が異なるサンプルの統合は統計の手法上正しくはなく、あくまでも参考データとして利用してほしいとの注釈が付けられている。
発表された「都道府県のスポーツライフ・データ」の内容は、都道府県別の(1)「運動・スポーツ実施率」、(2)「過去1年間に1回以上実施した種目」、(3)「スポーツクラブの加入率」。それと、(4)「週1回以上のスポーツ参加率」、(5)「アクティブ・スポーツ人口の割合」(週2回以上、1回30分以上のスポーツ実施者)、(6)「スポーツクラブ加入率」の各都道府県ランキング。
このうち(2)の項目でゴルフが登場。「コース」、あるいは「練習場」でプレーしたと答えた人の割合は、全国平均でそれぞれ「10.56パーセント」(6位)と「10.12パーセント」(7位)、どちらもほぼ10人に1人の割合でプレーされたことになる。
ところが、47都道府県ごとにその割合を比べてみると、「コース」と答えたトップは、意外にも福島県。その率は18.08パーセントで、いわゆる『ゴルフ場銀座』を擁し、全国的にもゴルフが盛んな県として認知される千葉県など2位以下を大きく引き離している。
また、「練習場」の答えでも、その割合が最も多かったのは奈良県の17.27パーセントで、これまた2位以下に大差をつけての1位である。
いずれも意外と思える結果だが、実は当のゴルフ関係者にとっても意外だったようだ。
「えっ! そうなんですか? あまりピンと来ませんね。確かに、県内には現在61~62コースがありまして、人口(約200万人)の割りには多くなっています。また、都市部の近くに多くのゴルフ場がありますから、利用しやすい環境であることは間違いありませんが……」(福島県ゴルフ連盟事務局局長)
同様に奈良県からも「県内は30コースしかなく、近畿地方でもゴルフ場、ゴルフ人口とも少ないほうですから、まったく実感ありません。練習場も、かつては55カ所あったのが、今は30数か所にまで減っていますから……」(奈良県ゴルフ連盟)と戸惑いの反応が返ってきた。
さらに驚きの反応を隠さないのがゴルフ場関係者で、福島県の某支配人は「福島県は、ゴルフ場の売上げが全国でもワーストクラスですから、とてもそんなランクは信じられません」と驚きを隠さない。
もっともゴルフ場にとって重要なのはプレーヤーの実数であって、県民に占めるゴルファーの割合ではないので、実感が伴わないのも当然なのかも知れない。
そのため、先の支配人も「県内には平日3500円のコースもあるほど、経営的には『どん底』の状況で、どのゴルフ場も集客に一生懸命企業努力しているところ。ゴルファーには今が最高の環境ですよ。だから、1年に1回以上プレーする人の割合なら、案外、いるのかも……」と半信半疑に語る。
ともあれ、今回の「全国1位」に、早く実感がともなう状況になりますように!
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