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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/23・30合併号
2005/8/25更新
W杯優勝で華々しく幕を開けた前半戦
宮里藍不在でも次世代ヒロインが続々

 国内女子ツアーは年間33試合のちょうど半分、17試合を終えたところ(クリスタルガイザーレディスまで)だが、今季前半戦はいきなりフィーバー状態でスタートした。その後、6月からは宮里藍の国内不在による反動が心配されたが、テレビ視聴率を見る限り、案外底堅い人気で乗り切ったようだ。


超有名人

 2月の第1回女子ワールドカップを宮里と北田瑠衣のペアが制したのに続き、宮里が豪州での欧州ツアー戦であわや優勝の大健闘。

 それと並行して各マスコミが横峯さくら(with良郎氏)の人気をこぞって盛り立てるなか、迎えた開幕戦ははなからフィーバー状態だった。

 大会会場には予想をはるかに上回る180人もの取材陣が殺到。当然、なかにはゴルフ取材は素人同然の記者、カメラマンも混じっていて現場は大混乱。迎える日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は大わらわとなった。

 その後も、藍&さくらが4~5月にかけて期待通りの大活躍。続いて、次代のヒロイン候補と見られるアマチュアの諸見里しのぶや宮里美香が上位をにぎわすなど、フレッシュな話題に事欠かなかった。

 ちなみに、諸見里は先のプロテストに合格。プロデビューが予定される9月以降、また新たな人気をもたらしてくれそうだ。

 もっとも宮里藍がツアーを離れてからの「アピタ・サークルK・サンクスレディス」と「ベルーナレディース」では、テレビ視聴率も5パーセント台(関東地区、ビデオリサーチ調べ)に急降下。

 また、会場に押しかける取材陣の数も「宮里がいなくなると、七掛け程度に減ります」(トーナメント運営会社)。

 そのため、一部には「やっぱり女子ツアー人気ではなく、藍ちゃん人気だったのか」といった声も挙がった。

 ところが、その後、2位で涙を飲むこと11回、「万年2位」が話題だった表純子が2週連続優勝の快挙。すると、視聴率も7パーセント台まで回復。女子ツアーは、藍ちゃん抜きでも、試合展開次第で底堅い数字が得られる存在になったようだ。

 こうしたファン層の拡大について、LPGA事務局の高須皓友氏は「宮里選手はスーパースターですから、出ない試合の数字が減るのは当然。でも、7パーセント台にしても2年前の2~3倍ですからね」と語った上で、
「最近の会場にはお子さん連れのファミリーが大変目立ちます。たぶんテレビ観戦も、従来のゴルフファンだけでなく、そうした新しいファン層が増えたんだと思います。最初は宮里選手などの話題性で観ているうちに、女子ツアーの面白さを知ったという……」と分析している。

 実際、今年の女子ツアーは白熱した接戦が多い。スタンレーレディスまでの16試合中、2位との差が3打以上離れての優勝はわずか3試合。逆にプレーオフは6試合もある。

 しかも、不動裕理や藤井かすみ、福嶋晃子、服部道子といった実力選手が揃って好調で、いわゆる「どんぐりの背比べ」的な低レベルでの争いではない。

 また、昨年の6試合から今季12試合へと倍増した下部のステップアップツアーからは、伸び盛りのフレッシュな選手が次々と供給され、例えば飯島茜のように一気にシード権を獲得しそうな選手を誕生させている。

 プロテスト合格前の選手でも、実力があればツアーに出られる仕組みが、活性化をもたらしている。

 こうみると、全般に順調に見える女子ツアーだが、前出の高須氏は「一般の注目度が高くなるに従い、新しい課題が次々と見えてくる状態です。例えば、新しいファンの関心が離れないよう、もっときめ細かな情報の提供も考えています。人気に浮かれている状況ではありません」と逆に気を引き締めている。

 また、一般の注目を集めている今のうちに、宮里抜きでも観て面白いと思われるゲームを続けること。つまり、「今こそ選手ひとりひとりの、見せる努力が大事」との指摘が、ツアー関係者の間から多く聞かれた。

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