国内ゴルファーの人口やその増減の目安として、毎年発表が注目される『レジャー白書』((財)社会経済生産性本部)の05年度版が先ごろ発行された。残念ながら、04年のゴルフ人口(コース)は前年比減少となったが、練習場利用人口など、一部に明るい兆しが見える内容となった。
同白書は全国の都市部(人口5万人以上)に住む15歳以上の男女3000人を対象に、今年2月に実施したアンケートをもとに集計したもので、ある余暇活動を1年間に1回以上行った人口を「参加人口」、その割合を「参加率」と表している。
その結果、ゴルフコースの参加人口(参加率)は1030万人(9.4パーセント)。前年の03年が1080万人(9.8パーセント)だから50万人減少したことになる。
そして、この5年間の推移は00年1290万人(11.9パーセント)、01年1340万人(12.3パーセント)、02年1040万人(9.5パーセント)、03年1080万人(9.8パーセント)、04年1030万人(9.4パーセント)なので、増減を繰り返しながらの減少トレンドにある。このままでは、ゴルフ人口1000万人割れが心配されるところだ。
だが、参加一人当たりの年間平均活動回数を見ると、04年は13.3回で、前年の13.5回よりもわずかに下げてはいるが、依然高い水準を維持している(97年は9.9回)。料金の下落など、一般にはプレーしやすい環境が整ったからだろう。
また、ゴルフ練習場の参加人口は1160万人(10.5パーセント)で、前年より80万人、参加率で0.7ポイントの増加となり、ここ数年続いていた減少傾向にピリオドを打ったようだ。
もっとも、年間平均活動回数は03年より2.0回少ない19.0回と減ったが(それでもこの10年では3番目に高い)、昨年は特殊な事情があったからだろう。
「真夏の猛暑と台風(史上最多10個が日本上陸)の影響が大きく、練習場はどこも入場者を減らしました」と語るのは、(財)全日本ゴルフ練習場連盟(JGRA)の内藤裕義会長(都内練習場のハイランドセンター社長)。
ちなみに、内藤会長によれば「今年度は全国的に、昨年よりも驚くほど入場者を伸ばしているようです」とのことである。
しかし、昨年はそうした事情に加え、事業者数は依然減り続けているだけに、練習場利用人口が増加したという今白書の数字には実感がないようだ。
JGRA事務局長の三宅伸宜氏も開口一番、「昨年ですか? それはピンときませんね」と答える。それでも、参加人口が上向く胎動は感じているという。
「従来の『待ち』の経営から、自ら新しいゴルファーを育て、ゴルフの楽しさを提供し、きめ細かなユーザー管理を行う練習場が増えており、そうしたところでは入場者を増やしています。各種の、ゴルフスクールやコンペ企画を始め、駐車場というスペースを生かしてのイベントを実施している練習場もあります」(三宅氏)
同連盟では、そうした新しいサービスやイベント、顧客管理など全国の成功事例を収集、開示し、業界全体の発展につなげようとしている。
さらには、JGRAを含むゴルフ関連10団体が参加する日本ジュニアゴルファー育成協議会では、地域の練習場が活動拠点となる「ジュニアゴルファーズプラザ」構想を提唱、そこでジュニアの育成チームを編成し、育成活動を展開することが掲げられている。
いわば、地域ジュニアのクラブハウスといった存在になるのだろうか。
「まず、『練習場』という呼び名が不満です。『練習場』では、まだゴルフをしていない人には関係のない、ゴルフの練習でしか使えない施設みたいじゃないですか。練習場ではなく、地域のゴルファーズセンター、ゴルファーズコミュニティプラザ的な存在になるべきだと思います」(前出・内藤氏)
JGRAは実際にその方向に向けた活動を進めているようだ。こうした構想が現実になったとき、『レジャー白書』でも、恐らくゴルフ練習場の参加人口は大幅増となることだろう。
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