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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/13号
2005/9/7更新
トッププロたちの興味はクラブよりボール?
「飛んで止まる」ボール開発がますます激化

 弘法は筆にこだわる。われわれがボールを購入するとき、ディスタンス系かスピン系のどちらかを選ぶが、トッププロはその両方を要求するようだ。X-01H、Z-URS、クロスエイト、HXツアー56など各社の最新モデルは、そんなプロたちの「わがまま」を満たすために開発されたボールといってもいい。


ボール選びは「わがまま」

 全米プロで4日間首位を明け渡さず、堂々たる勝ちっぷりでメジャー2勝目を飾ったフィル・ミケルソン。次の目標はグランドスラムと公言するほどの自信の裏付けはもっぱらニューボールにあるようだ。

 昨年、タイトリストとの契約を1年4カ月も残しながら、キャロウェイと電撃的な契約を結んだ際は、様々な憶測を呼んだ。しかし、真相は偶然手に入れたたった3個のサンプルボールに隠されていた。

 昨年7月、キャロウェイゴルフのツアー担当マイク・ガレスキ氏をランチに誘ったミケルソンは、帰り際、同氏の車にあった白い箱に目を留めた。「よかったら使ってみて」と手渡されたのはHXツアーのプロトタイプだった。

「翌朝オフィスの留守電に彼のメッセージが吹き込まれていた」(ガレスキ氏)
「ドライバーの飛びもすごいし、スピンコントロールも自由自在にできる」

 とはいえミケルソンはHXツアーに100パーセント満足したわけではなかった。

「いまより10ヤード飛んで、35ヤードのアプローチで1フィート戻るボールを作ってほしい」

「HXツアーは飛びを追求したため若干フィーリングが硬く、球離れも速かった。ミケルソンの求めに応じて、カバーを薄くするなど、軟らかでコントロールしやすくしたのがHXツアー56です」(同社PRマネージャー/松尾俊介氏)

 このボールを使うようになってからのミケルソンは、59、60、62と彼自身これまで経験したことのないスコアを立て続けにマークしているだけに「ぼくはこのボールで強くなった」という言葉も真実味を帯びてくる。

 では、元来飛ばし屋として知られるミケルソンのボールを一般ゴルファーが使った場合果たしてどうなのか。今シーズン初めからHXツアー56を使っている女子プロの山岸陽子は、

「アゲンストでも重い球で、ふらつかない。必要なスピンはかけられるけれど必要以上のスピンがかからないので、グリーンから手前にこぼれない。いつも自分の想定した範囲内にボールが止まってくれる。平均点が高いボールなので、アマチュアが使ってもいい結果が出るはず」

 他社のプロ使用球も案外アマチュアに使いこなせそうだ。

 ブリヂストンX-01Hは、丸山や伊沢の意見を基に作られ、カタログ上では推奨ヘッドスピード48m/sというハードヒッター仕様だが、意外にも宮里藍、米山みどりら女子プロの使用者が増えている。

「01よりも弾道が少し低くランが出るセッティングなのでトータルで飛距離が出ます。とくに女子プロのように元々高打ち出し・低スピンで打つ人には初速を上げるメリットもあります。また、カバーが軟らかいので、コンプレッションが硬くても、打感はソフトに感じます」(ブリヂストンスポーツ広報室長/嶋崎平人氏)

 一方、スリクソンZ-URSは、同社Z-URをよりソフトにしスピン性能を高めたボールで、7割近い契約女子プロが使っている。

「ドライバーの飛距離ではZ-URに譲りますが、逆にアイアンでは打ち出し角が高くてスピンの少ないZ-URSの方が飛びます」(SRIスポーツ技術部課長/宮本憲一氏)

「飛距離が10ヤード伸びた」と古閑美保がいうように最近の高弾道ドライバーとの相性もよさそうだ。推奨ヘッドスピード35m/sとアマチュア向きの設定だが、男子プロの川岸良兼、田島創志らも使用している。

 また、ミズノのクロスエイトも、プロの間でじわりと浸透する気配。

「高さが出せるし方向性がいい」というのは藤井かすみ。「曲げたい私としては曲げられない」(藤井)直進性の高さは「曲げたくない」アマチュアにとっては大きなメリットになりそうだ。

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