米ゴルフダイジェスト誌とその姉妹誌であるゴルフワールド誌が、インターネットサイトで伝えたところによれば、10月11日の16歳の誕生日前後にウィがプロ入り宣言をすると断定している。そして、13日からのサムソン世界選手権で、プロデビューすると報じた。
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以前に小誌でも再三取り上げたように、ウィのプロ入り宣言は、ある意味では時間の問題とも見られていた。
今年はフランスやイギリスなどにも海外遠征をし、年間1000万円以上の遠征経費を費やしていることから、アマチュアとしてやっていくのには、無理があると見られていた。
その一方で、全米女子オープンなどでは、ナイキの広報担当者が、ウィと行動を共にしていたからだ。
もちろん、プロ入り宣言をしても、LPGAのメンバーになれるわけではない。米女子ツアーには、18歳以上という年齢制限がある。
例外的に17歳のモーガン・プレッセルが、今年の試験を受けることが許されたが、実際にこのプロテストに合格しても、メンバーとしてプレーが出来るのは、来年の18歳の誕生日以降という制限がつけられている。
しかし、ウィがプロ入り宣言をすれば、試合数は制限されるものの(年間6試合まで)、スポンサー招待で試合に出場して賞金を手に出来るようになるし、なによりスポンサー契約を結ぶことが出来る。
噂によれば、プロ入り宣言と同時に、ウィはナイキと年間500万ドル(約5億5000万円)の契約を結ぶと言われているし、米ゴルフダイジェスト誌によれば、このほかに2社とスポンサー契約を結び、「契約料が800万ドルと見積もられ、加えてアピアランスマネーや他の契約などで、彼女のプロとしての最初の年には、賞金を別にしても、1000万ドルに達すると予想されている」という。
女子ゴルフ界の女王、アニカ・ソレンスタムの契約料収入は、年間520万ドルと伝えられていることから、一気に女子プロの稼ぎ頭になるだけでなく、テニスのM・シャラポワ、S・ウィリアムスに次いで、世界の女子プロスポーツ界で、第3位のリッチウーマンということになりそうだ。
もっとも、こうした契約などを決めたのは父親のBJ氏のようで、彼がIMGを蹴って、ウィのマネジメント契約を結んだのは、クリント・イーストウッドやジョン・トラボルタといったハリウッドスターをクライアントにもつウイリアム・モリスという人物だ。
そんな人物だけに、エンターテイナーとしてのウィの売り時に敏感だったといえるかもしれない。
ある意味では、何が起こるか分らないのがプロの世界。女子プロでは、P・クリーマーやM・プレッセルなどの10代のプレーヤー達が活躍し、人気を獲得しはじめている中で、ウィにとっては、今が最高の売り時ということなのだろう。
LPGAの新コミッショナーのキャロリン・ビべンス氏によれば「今回のことは、そう驚くことでもない。重要なのは、彼女が夢を見、その夢を追うことが出来ること」だとか。本当にその通りだが、やはりアメリカらしく、すべてが桁違いだ。
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