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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/18号
2005/10/12更新
ザ・サザンリンクスの入札に40社が殺到
沖縄の「優良物件」を巡る争奪戦の行方

 誰もが欲しがるコースと、誰も欲しがらないコースではゴルフ場の値段がはっきりと二極化する中、沖縄のゴルフ場で落札価格が40億円を突破する可能性が出てきた。

 ここ最近では異常な高値が予想されるのは、今年5月に民事再生手続きの開始を申し立てていた株式会社琉球リゾートが経営するザ・サザンリンクス・ゴルフクラブ。

 地元のセメント商社系列のゴルフ場で、全室オーシャンビューのホテルが併設されており、建設には約150億円が投下されたコースだ。

 約170億円の負債の内訳は、約420名の会員から集めた預託金が約50億円で、残りの大半は銀行借入。

 すでに実施された一次選考には総勢40数社が応募、2次選考を経て数社に絞り込まれた模様で、9月下旬に入札者の価格を公開する完全公開入札で3次選考を実施、10月末までにスポンサーを決め11月末には再生計画案を那覇地裁に提出、というのが当面のスケジュールだ。その公開入札の課程で、「40億円突破は確実」(ゴルフ業界関係者)との声が出ている。

18Hで40億円を越える値段がついた、というだけなら過去にも例はある。ゼネコンのフジタと商社のトーメンが合弁で開発した東京バーディクラブがユニマットグループに売却された際の価格は約50億円と言われたし、鳩山CCで会社側の再生計画案として、スポンサー候補の森インベストメント・トラストから提示された金額は44億円だった。

 結局債権者の大半を占めていた会員側が提示したスポンサー抜きの自主再建型の計画案が可決されたため売却は実現しなかったが、44億円の値がついたことは事実だ。

 しかし東京バーディークラブは約40億円と見られる預託金債務を引き継いでいるので、真水部分は差し引き10億円程度。鳩山CCのケースも、継続会員にはスポンサーが払い込む配当金のうち、8割を再預託してもらう、という条件が付いていた。

 首都圏の超人気コースでもあり、退会希望者が多数出る可能性は低かったので、こちらも真水部分は差し引き20億円前後、というソロバンを弾いた上での44億円だったと考えられる。

しかし今回は文字通り真水で40億円突破という。なぜこのコースにそれほどの高値が付くのか。余計なお世話かもしれないが、そんな高値で買って、採算は合うのだろうか。

「まず第一に、このコースはかなりの収益力があるので、莫大な借金さえカットすればかなりの高収益が見込まれること、第二に沖縄だということが、このコースに40億円超という高値が付く理由。
 すでに全国にコースを保有している外資にとってもコースの分布上沖縄を押さえておきたいという動機が働く。沖縄は日本有数のリゾート地だが、ゴルフ場の数は限られており、出モノが少ない。
 また、6万人以上も来場者がおり、コースのみならずホテルにもまだまだ収益改善の余地は充分あり、この値段でも採算はとれるはず」(ゴルフ場業界関係者)という。

 実際、ホテルの収入も込みだが、ピーク時の平成5年3月期の年商は何と20億円。昨年3月期ですら13億円以上、そのうちコースの売上は推定で9億円前後というから、「18Hで5億円なら合格点」と言われる現在の業界水準からすると、驚くべき額である。

それほどの収益力がありながら、莫大な銀行借入を抱えている原因は、総額150億円かかった建設コストのうち、会員権の販売で金融機関に返済が出来た金額はわずか50億円足らずだったことにある。

 昭和63年12月というバブル初期のオープンで、本来なら最も順調に募集が進んだはずだ。しかし会員権の平均単価は1200万円弱でしかないのは、バブル崩壊直前に3000万円で開始した4次会員の募集がバブル崩壊で難航したためで、結局目標の販売数を大きく割り込むことになった。

 170億円の負債に、例えば50億円の値が付けば、単純計算だと配当率は30パーセント近くになる。はたして最終的に入札結果はどうなるのか。注目される。

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