週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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　クラブメーカー各社の新商品発表の時期が迫ってきた。各社がどのような方向性を打ち出すのか探ってみた。

ヨネックス、つるや、セイコーエスヤードなどが、ルール適合ドライバーへのシフトを完了する一方、大多数のメーカーはまだその方針を明らかにしていない。

　この時期、2006年モデルの開発は最終段階を迎えているが、ルール適合モデルに一本化するのか、高反発モデルをラインナップに残すのかいまだに決めかねているメーカーもあるようだ。

　その影にはゼクシオの存在がある。3世代にわたってベストセラーを続ける怪物ゼクシオが、ルール適合モデルへの流れを一気に加速させるか、高反発モデルの需要を踏みとどまらせるのかカギを握っているという見方だ。

　ライバル社の動向とユーザーのニーズを見比べながら、マーケティング担当者にとっては胃の痛むような日々が続く。

　超高反発を売りにしたJPXの販売が好調なミズノ。それだけにルール適合モデル投入のタイミングが難しい。「ヘッド構造やシャフトなど、反発力以外の飛びの要素を見直すことで、高反発と比べても遜色ないものができあがっている」（広報宣伝室／西田維作氏）

　すでにこのプロトタイプは有力選手が実戦で使い始めており、フィッティングの問題を除けばほぼ完成しているといっていい。

　ただ、発売時期に関しては、慎重な姿勢を崩しておらず、「影響力が大きいゼクシオがどう出るか注目しています」（西田氏）

ニューV-iQの登場が噂されるブリヂストンだが、それを裏付けるかのように宮里藍をはじめ何人かの女子選手がルール適合のプロトタイプドライバーに持ち替えている。

「反発は一つの要素に過ぎず、ほかの条件を高めればまだまだ飛ぶ可能性はあります。実際、宮里選手も飛距離を伸ばしており、いいものができたという確信は持っています」（ブリヂストンスポーツ広報室長／嶋崎平人氏）

ただ、同社の場合も、高反発モデルの扱いを今後どうするかについては表明していない。

「ゼクシオを追いかける立場なので、当然意識しているし、タイミングも見ている」（嶋崎氏）ところだが、例年展示受注会が行われる12月までには「メーカーの責任として態度をはっきりさせたい」としている。

　X-18ドライバーを発売したばかりのキャロウェイは、来年に向けてX-18およびERCホットのルール適合モデルを準備しており、高反発モデルとの2本立てとなる。

各社からマークされる立場のSRIスポーツは、この秋スリクソンW-505をルール適合と高反発の二本立てで登場させた。この手法が次期ゼクシオの伏線となるのだろうか。

「2006年モデルの発表は年内ですが、今はまだ公表できる段階ではありません。W-505はルール適合と高反発モデルの割合が6対4ほどで、まだまだ高反発のニーズはある。マーケットの動向が決め手となりますし、今後ルール適合の比率が高まっていくのは間違いないでしょうが、流れが加速するタイミングがいつなのか非常に読みづらい」（SRIスポーツ経営企画部／藤田英明氏）

　この先2年間の高反発ドライバーの市場を占う決断が注目される。

　独自路線で勝ち組を目指すメーカーもある。

「ゼクシオがルール適合に一本化されれば大きな変革になるが、当社くらいの規模ならば影響は小さい。ヤマハファンを大切にした独自路線でいく」（ヤマハ／土田厚志氏）

　同社からは、スウィートスポットを広くする新構造とフィッティングの新技術でトータルの飛距離をアップさせたニューインプレスが登場するが、その一方で、高反発を求めるユーザーのために従来の高反発モデルは継続販売される。

　新ブランド「ベレス」で攻勢をかける本間ゴルフは、ドライバー2機種を発売するが、アベレージ向けのモデルは高反発、アスリート向けのモデルはルール適合と、対象ユーザーによって明確な作り分けを行う。

「アベレージの方はまだまだ高反発を求めている。ニーズに合った商品を提供するのがわれわれの役目。ルール適合モデルに関してはアーマックの存在が大きい。このシャフトのおかげで高反発にする必要性すらなくなった」 (本間ゴルフ ／桑木野洋二氏)と自信を見せている。