丸山茂樹がザ・ツアー選手権の出場権にほぼ王手をかけた。ザ・ツアー選手権は、今年の賞金ランキングのトップ30位以内のプレーヤーだけで争われる試合とあって、出場できることがトッププレーヤーの証と言われる。この試合に出場すれば、来年の全米オープン、マスターズなどの出場チャンスを得ることもできる。それほど選手にとって重要な大会に、昨年に引き続いて、丸山が出場できるかどうかが注目されている。
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終盤で巻き返し
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米ツアーはクライスラー選手権とザ・ツアー選手権の2試合を残すだけとなったが、アメリカのゴルフファンにとって話題の中心は、やはりザ・ツアー選手権の出場権と来年のシード権争いだ。
先のミシュラン選手権では、来年のシードも危ぶまれていたウェス・ショートJr.が優勝し、賞金ランキングを一気に176位から70位へと100人強もごぼう抜きして来年のツアー出場権を手にした。
同じ試合で丸山は、6位タイの成績を収めて、13万9000ドルの賞金を獲得。これにより、丸山の今季の獲得賞金が188万2981ドルとなり、ランキングを35位から25位に上げている。
丸山はこの試合の最終日、16番ホール・パー5のセカンドショットで2オンを狙って池に落としてしまった。これさえなければ、ザ・ツアー選手権の出場は確定したのだが、2シーズン優勝のない丸山にすれば、イーグルを狙って賭けに出るしかなかったようだ。
しかし、190万ドルがトップ30位入りの確定権といわれているので、あと少し稼げばよく、終盤戦に入って調子を上げてきているだけに、大いに期待が持てる状況だ。
「米ツアーの仲間には、飛距離がさほど出ないのに、いつの間にか賞金ランキングやワールドランキングの上のほうに来ているので、驚かれたり、煙たがられたりしているんだ」という冗談を飛ばしていた丸山だが、全米プロ前後の成績では、今年のザ・ツアー選手権出場は、難しいと思われていた。
しかしクライスラークラシックで2位となり、54万ドルを稼いだかと思ったら、アメリカンエクスプレスで11位タイに入り、ワールドランキングを40位から35位に上げた。
コースのヤーデージが長くなる中で、厳しい試合展開を迫られることが多いことを考えれば、かなりの頑張りようだ。
しかし、賞金ランキング32位にはF・カプルス、34位にはK・J・チョイ、37位にはJ・デーリーなどが控えており、王手をかけたといっても、ベスト30入りが確定したわけではない。
ところで来年のシード権争いは、賞金ランキング125位以内なら来年のシードが確定し、150位以内ならマイナーな試合であれば出られる可能性が高い。日本の今田竜二は、19日現在でランキング114位と、シード権内にいる。
しかし、問題は田中秀道で、現在の獲得賞金は45万1727ドル、賞金ランキングが149位と低迷している。昨年の例で言うと、ランキング125位以内には、あと62万ドル、150位には44万2000ドル稼がねばならない。
賞金総額が上がっているために、確実にシードをものにするには、残りの試合でトップ5入りするぐらいの順位が必要だ。もし予選落ちすれば、再びQスクール行きということになる。
「(田中は)米ツアーに参戦した最初の年につまずいてしまったために波に乗れず、苦労しているようだ」と、丸山は同じ日本人プロの田中の状況を案じているが、あるいは日本に戻って捲土重来を期す、という決断をしなければならなくなるかもしれない。
ちなみに今年の全米オープンでベストアマになり、直後にプロ入り宣言したR・ムーアは、ツアーメンバーではないため公式ランキングには出ていないが、約60万ドルほど稼いで実質120位の成績につけている。
またメジャーの優勝で5年間のシードを保持しているB・カーチス(123位)、T・ハミルトン(127位)、R・ビーム(136位)といった実力者たちもシードの当落線上にいるのが米ツアーだ。
それらを考えると、シード入りがいかに難しいかが分かるだろう。残りの試合で、日本人選手たちの踏ん張りに期待しよう。
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