特別清算手続き中のレイクウッド系列の4コースで、10月11日名義変更が再開された。特別清算手続きが完全に終結してからの再開を予定していたものを、早期の名変再開を強く望む声に押されての再開だけに、同4コースの会員権相場は特別清算申立前の水準に向け、上昇傾向を見せているという。
|
今でも人気が高いレイクウッドGC
|
レイクウッドGC(神奈川)、平塚富士見CC(神奈川)、レイクウッドGCサンパーク明野コース(山梨)、レイクウッドGC富岡コース(群馬)の4コースの経営会社・湘南観光開発株式会社が、東京地裁に特別清算の開始申立を行ったのは昨年8月23日のこと。
湘南観光開発の特別清算を巡っては、申立当時は2つの意味で話題になった。
一つは傘下にかつての『億カン』コースを2つも抱える経営会社の破綻だったこと。レイクッドGCはバブル期には会員権相場であの小金井CCを抜いたことがあり、平塚富士見CCも相場が億円単位に乗ったことがある。
そしてもう一つは、おなじみの民事再生や会社更生といった、再建型の法的手続きではなく、清算型の、なおかつ破産よりも手続きが簡便な特別清算を使ったという点だ。
とことん厳密に債権者平等原則に基づき、債権額案分で機械的かつ公平に配当をしていく破産と違い、特別清算は債権者間の話し合いでコトを進める。
債権者数で過半数、債権額で4分の3と、再生法や更生法よりも必要同意割合のハードルが高い一方で、債権者間で負担にメリハリをつけることも可能で、手続きも簡便と言われている。
具体的には、メインバンクであるみずほ銀行と親密な日本土地建物など、複数の企業の出資で設立した新会社株式会社レイクウッドコーポレーションにゴルフ場の資産を譲渡した上で、カット後の預託金を新会社に再預託し、プレー権は従来通り確保する。
ゴルフ場資産がなくなり、負債だけになった湘南観光開発は清算、というシナリオを整えた上での、言わばプレパッケージ型だ。
この間、今年1月に世間を震撼させ、社会問題にまで発展した、あのスキミング騒動が発生し支配人が逮捕されるというケチがついたものの、1月25日の債権者集会では無事に当初案通りに可決に至った。
また湘南観光開発の清算手続きが遅れていることから、最終的な負債のカット率も確定しないため、新預託金証書の発行も遅延、必然的に名義変更再開も遅延することになった。
しかし名義変更再開を求める多くの声に押され、今回とりあえず応急的にプレー会員権を発行、当面はこのプレー会員権で名義変更を受け付け、最終配当が決まってから新預託金証券を発行し、それ以降はプレー会員権と新預託金証券の2枚セットで名義変更を受け付けることになった。
傘下4コースのうち、レイクウッドGCは特別清算申立直前の相場は2900万円程度で、申立後の名変停止中の念書売買に於ける相場は、昨年の今頃も2000万円台を維持していたほど。
申立直前に1200万円だった平塚富士見CCも、いったんは半額ほどまで下がったが、その後じりじり上昇し、すでに1000万円台に戻しているという。
また、ケタが違うとはいえ、富岡コースも1年前の30万円台から最近は倍以上の70万円台に上昇。明野も1年前には20万円台後半~30万円台だったが、最近は40万円を突破しており、「相場が近々申立前の水準に戻るのは間違いない」(都内のゴルフ会員権業者)という。
根強い人気の秘訣は「何と言っても経営会社への安心感。外資が入るとセミパブリック化するというイメージがほぼ定着する中、経営会社の出資者の顔触れが会員に安心感を与えている。加えて会員数の少なさも人気の理由」(同)だという。
新会社の出資者として判明しているのは、日本土地建物、損保ジャパン、清水建設などだが、いずれも名の通った日本企業ばかり。また会員数も、平塚富士見CCが3200人と36Hとしてはまずまずで、レイクウッドGCに至っては、36Hでたったの400人しかいない。
会員権はまさに良好なプレー環境を買うもの。根強い人気は会員権の本質を示すと言えるだろう。
|