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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/6号
2005/11/23更新
米外資系パシフィックゴルフが東証に上場
ライバル会社アコーディアの動きにも注目

 11月10日、ローンスターグループ(以下、LS)のゴルフ場経営会社が東証から正式に上場承認を受けた。上場予定日は12月15日。同日公表された目論見書には、これまでヴェールに包まれていたLSに関する経営情報が満載だ。


PGMの人気コース美浦GC

 読者諸氏にはLSと言えばパシフィックゴルフマネージメント株式会社(以下、PGM)がお馴染みだろうが、今回上場したのはその親会社の親会社であるパシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス株式会社(以下、PGIH)

 企業は上場する際、投資家が株券を買える様、もともとの株主が保有していた株式を放出する『売出し』と、新たに広く投資家に対して株券を発行する『公募増資』を同時に実施する。

『目論見書』は、公募と売出しに申し込みをしたい投資家に対して配られる説明書なのだが、公募や売出に関する概要だけでなく、上場する会社自身やその連結決算の対象企業の詳細な情報、それに親会社の決算書までついている。

 PGIHの目論見書にも、さすがにLS全体のことまでは載っていないが、LSのゴルフ場事業の部門に関する経営情報はかなり詳細に掲載されている。

まずはPGIHの組織体系だが、LSは旧経営会社の株式を取得する形で各コースの施設を取得してきたので、今も施設の名義は旧会社のまま。

 これら施設保有会社22社の株式をパシフィックゴルフプロパティーズ株式会社(以下、PGP)が保有、このグループを『不動産管理のPGPグループ』と位置づけている。

 一方、PGMなどの3社は『運営管理・受託のPGMグループ』と位置づけ、PGP社とPGM社の株式を保有するのがパシフィックゴルフグループ株式会社(以下、PG)。ただ、このPGは国内統括会社で、PGの親会社でグループ全体の経営管理を行うのが、今回上場するPGIH。

 つまり、PGIHの下にPG、その下にPGMとPGP、PGPの下にゴルフ場保有会社各社という、4階建ての組織になっている。

 次にPGIHのフトコロ具合だが、昨年12月末時点の決算書が掲載されているので、これで見るとグループ全体の資産は帳簿価格で1136億円。このうち固定資産812億円なので、この分がゴルフ場施設の帳簿価格と言えるだろう。

 保有コースは今年9月末時点では92コースだが、この時点ではまだ52コース、18H換算だと64。5コース分なので、18Hの1コースあたりの取得価格は12.5億円という計算になる。

一方、1136億円もの資産取得の原資は、LSグループやモルガン・スタンレーなどからの借入金が795億円で、資本金は資本準備金を合わせてもわずか5億円。預託金債務が依然として168億円も計上されているが、これも18Hの1コースあたりに換算すると、2.6億円足らずだ。

 ちなみに、コース数は今年9月には97に、借入金も現在では1205億円に、そして資本金も96億円に増えており、上場から2カ月後の来年2月には発表されるはずの今12月決算ではだいぶ数字が変わっているはずだ。

 今回PGIH自身が実施する公募増資で、新たに発行される株式は6万株。約55億円の資金を新たに調達するが、25億円は設備投資に、残り30億円はゴルフ場の買収に使う。現時点での発行済み株式総数が111万株なので、公募増資を実施すると発行済み株式総数は117万株になる。

 一方、PGIHの株式を保有していたLSグループのファンドが『売出し』で放出する株数は29万7000株。約300億円以上のキャッシュを手にする見込みだが、全体の64パーセント以上の株式を上場後も保有し続けることになる。

上場後は3カ月ごとに四半期決算を開示する義務があり、巷間囁かれているように、来年アコーディア・ゴルフが上場するようなことにでもなれば、ゴルフ場経営会社の経営情報開示は格段に進むだろう。

 だが一方で、証券市場に身を置く以上、利益の追求にはよりシビアになることは間違いないと思われる。それによって今後のゴルフ場運営に変化が生まれるどうか、外資の動きに注目したい。

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