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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/13号
2005/11/30更新
タイガーとのプレーオフで存在感をアピール
かつての「イケメンプロ」横尾要のこの10年

 タイガー・ウッズとの死闘4ホール。国内最高賞金2億円を巡るダンロップ・フェニックスで横尾要を見た人々から、こんな声が聞こえてきた。「日本にいたんだ」「米ツアーはどうしたの?」「結婚したんだよねぇ」。それほど、久々の活躍だった。


お久しぶり

 最終日に69でプレーしてタイガーに追いつき、プレーオフに突入。最初は横尾の勢いが明らかに優っていた。足首の痛みを悪化させたタイガーがティショットを曲げた1ホール目で、横尾は楽々のパー。長いパーパットをねじ込み、生き残ったタイガーを撃破する寸前だった。

 同じ18番の繰り返しで行われた2ホール目、3ホール目でも、2オンがあたり前のタイガーとの飛距離差をものともせず、3オン1パットのバーディを連発。長丁場に持ち込んだ。

 勝利まであと一歩と迫ったが、結局4ホール目でティショットを右に曲げ、タイガーの前に屈したが、それでも久々にファンに存在感を示すには十分の内容だった。

「自分でも、よく頑張ったよ」と、一騎打ちを振り返った横尾は今季、26試合に出場して予選落ちは1度だけ。トップ10入りが5回と、そこそこ安定感はあるのだが、優勝争いに届かず、目立った活躍はなかった。

しかし02年に優勝した得意コースのフェニックスCCを舞台に、世界ランクNO.1と堂々と渡り合ったことで、再び注目の的になっている。

 日大ゴルフ部で片山晋呉、宮本勝昌と同期で活躍し、名門と言われた最後の時期の一員だった横尾は、95年プロ入り。玄人好みの片山、宮本に対してイケメンプロとして人気を博した。

 2000年日本プロマッチプレーで3勝目を挙げると、これで得た5年シードを手に、師と慕う日大の先輩、丸山茂樹の後を追うようにこの年の米ツアーQTを受験。これを突破して2年間、常駐した経験を持つ。

 1年目は賞金ランク105位でシード権を獲得したが、2年目は130位と奮わず、日本へ舞い戻ることになった。

 一方、この年にタイガーは、シーズンをまたいでメジャー4大会を続けて制覇(2000年全米オープン、全英オープン、全米プロ、2001年マスターズ)する『タイガー・スラム』直後の第1次ピークを迎えていた。

 それを横尾は生で見て、同じ舞台で戦っていただけに、その強さは肌で感じている。だからこそ、今回の激闘で自分を誉めたに違いない。

 米ツアー、そして日本で戦い続ける間には、生活も変わった。独身に別れを告げて、房江夫人(元タレント、かとうれいこ)と結婚。一粒種の紗千ちゃん(2歳)も誕生するなど、にぎやかな日々を送っている。

 だが、やはりより高いレベルを目指すのはプロゴルファーの性。米ツアーにリベンジするつもりはあるのだろうか。

 タイガーと戦った経験について尋ねられた横尾は
「これは別にきっかけにはならない。次元が違いますから。こっちはいっぱいいっぱいだったし、パワーの差を埋めるのは無理」
 と言いながらも、可能性は否定していない。

「ショートゲームをもっと磨いていけば、多少は差を詰められるのでは」と口にしており、野望はまだまだ捨てていない。タイガーとのプレーオフが自信につながったことは、間違いないだろう。

 横尾の撤退後、米ツアーで戦う日本人は、丸山の他に田中秀道が常駐。他にも年間通して戦った選手はいるが、なかなかシード権を維持し続けることは難しい。米国暮らしの長い今田竜二が、ようやくシード権を決めたほどレベルが高いのは言うまでもない。

 そんな米ツアーへの再挑戦について横尾は、「今の状態で行っても同じことの繰り返し。まずは日本で優勝したい。いっぱい優勝して自分のゴルフに自信を持ってから」と明言する。

 タイガーに競り勝てば、文句のない結果として、もっと大きな自信になったはずだが、自分のゴルフへの展望が開けてきたのも事実だろう。近いうちに日本で5勝目を挙げ、再び米国ツアーで戦う姿が見られるかもしれない。

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