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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/13号
2005/11/30更新
4代目ゼクシオはルール適合と高反発の併売
V-iQはルール適合モデルを主力商品化

 2000年に初登場以来、累計94万本(予想=2005年12月まで)を売り上げた怪物「ゼクシオ」の4代目が発表された。

 最大のライバルであるブリヂストンスポーツが2006年以降、カタログ品はすべてルール適合とすることを表明、エスヤード、ヤマハなど中堅メーカーも相次いでルール適合にシフトする中、最大手SRIスポーツがどのような対応を見せるか注目されていた4代目ゼクシオは、SLEルール適合モデルと高反発モデルの併売という形で登場した。

 しかも、両者は外観デザインに共通性を持たせてあるが、素材も構造も異なるまったく別のドライバーといってもいい。

 9月に発表されたスリクソンW-505は、高反発とルール適合モデルを異なるフェース素材で作り分けているが、ゼクシオはそれをさらに徹底した格好だ。

 ルールぎりぎりの460ccまで大型化した高反発モデルは、同社最高の反発係数を実現し、3代目ゼクシオよりも飛距離が8ヤードアップしているという触れ込み。

 また、ルール適合モデルは新日鐵が開発した軽比重チタン合金をフェースに採用し、ルール適合のもう一つの泣き所といわれるフェースの重量増を回避し、従来モデルより7グラム軽量化している。

 その他、低深重心化を徹底化して、従来の高反発よりも2ヤードアップというデータを公表している。

 リーディングブランドのゼクシオが高反発を残したことで適合モデルへのスムーズな移行に水を差し、ユーザーを混乱させかねないのではという意見もあるが、これに対してSRIスポーツの馬場宏之社長は、

「高反発にはまだ3割のユーザーのニーズがあり、残り2年間という期限の中で無視できない」とあくまでもユーザーの選択肢を守る立場を強調した。その根拠となっているのは、今年7月に行った独自の市場調査。同社では、「発売当初は半々、2006年末には適合モデルが7割くらいに達する」(同社経営企画部/藤田英明氏)と予測を立てている。

 ライバルメーカーの反応は様々だ。ゼクシオの対抗馬V-iQの発表を控えるブリヂストンスポーツは、

「ゼクシオの併売は想定の範囲内でしたが、当社ではルール適合と高反発の販売比率は来年9対1くらいになると予想しています。
したがって高反発は特注扱いで対応する方針に変わりはありません。クラブは性能で評価されるもの。適合品でも他社の高反発より飛ぶという確信を持っています」(ブリヂストンスポーツ広報室長/嶋崎平人氏)と冷静に見守る。

 また、JPXのルール適合品を開発中と伝えられているミズノだが、来年モデルの方向性を明らかにしておらず、SLEルール問題への対応は国内3大メーカーで三者三様といっていい。

 年間23万本という販売目標を掲げ、カラーカスタムなど新規のユーザー獲得策も盛り込んだゼクシオ。

「いくらゼクシオでもルール適合だけで23万本は厳しい。シェアを守るために高反発を捨てられなかったのでは」という見方や、「SRIスポーツさんだからできること。体力に余裕のないメーカーは手をこまねいて見ているしかない」と本音を漏らす業界関係者もいる。

 ルール対応の建前と本音、そしてメーカー間の駆け引きが交錯する中で、2006年のゴルフクラブ市場が上向く兆しはなかなか見えてこない。

「販売数の約7割がルール適合クラブですが、いまある適合クラブに100人が100人とも合うわけではありません。買う意味のない物を慌てて買う必要はありませんし、お客様にはルール適合クラブが熟成するまで1年程度は見極めた方がいいと話をしています。
 例年であれば来年用のカタログや試打クラブができているのに、今年は遅れ気味。情報が少なすぎて、おすすめしようにもできない状況です」(松坂屋名古屋店ゴルフ売場/竹下久氏)
 など、メーカーサイドの迷いが市場を冬眠状態に追いやっていると指摘する声も聞かれる。

 最終決定を下すのはユーザー。よほど魅力ある商品でなければルール改正を味方につけることもできないだろう。

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