男子ツアーは今年の日程を終了したが、来季のシード権を巡る争いでは生涯獲得賞金25位以内の出場枠で今季を戦ったベテラン勢が軒並みシード落ちをした。またジャンボ尾崎が自己ワーストの82位で終了するという結果になった。
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来季59歳の「復活」はあるのか
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永久シード権を持ち、来季以降もほぼ全試合でツアー出場が可能な尾崎将司だが、73年のツアー制度施行後、32年間守り続けたシード権を逃した。尾崎は「今年は心身ともに疲れたシーズンだった」と振り返った。
58歳になったとはいえ、レギュラーツアーで挑戦し続ける尾崎は昨季、賞金ランク55位に低迷した威厳を取り戻すために、今季は復活の年と位置づけた。
だが、持病の座骨神経痛に泣かされ、自己最多5度の棄権をする羽目になった。さらに予選通過しても決勝ラウンドに入ると体力的にきつくなり、スコアも崩れて順位を落とした。
今季は優勝争いどころか10位以内に入ったのが5月の「日本プロゴルフ選手権」での8位が最高だった。また、11月には東京地裁に民事再生手続きを申し立てるなど、プレー以外でも神経をすり減らした。
「来年は体のケアをして、腰の負担をなくすためにシェイプアップする」と90キロから5キロ減量することも明言した。来季は本腰で復活を期す構えだ。
来季のシード権は賞金ランク上位70人に与えられる。出場義務試合(16試合)を満たしていないT・ウッズ、D・クラーク、J・フューリックと今季米ツアーに参戦して優遇措置をうけた谷原秀人を除く74位までに与えられた。
前週の「ダンロップフェニックストーナメント」終了時点では、中川勝弥がボーダーラインで当の本人は予選落ち。逆転シード権獲得のドラマを期待したが、劇的なドラマは生まれなかった。
今季は尾崎健夫、芹澤信雄、東聡など11人が生涯獲得賞金25位以内の権利を行使した。
尾崎健夫は「おれは容姿端麗でゴルフはうまいんだけど、経験がない」とおどければ、「このままQTに向います」と東は下を向いた。
ツアー1勝をあげている檜垣繁正も9年ぶりに予選会の行われる熊本に向い、渡辺司は競技ゴルフからの引退を決めたようだ。
逆に初シードを獲得した白佳和(62位)と堀之内豊(66位)らは最後までファンから祝福を受けていた。シード復活組では、今季ツアー初優勝の宮里聖志と野上貴夫は早々にシードを確定させた。
宮里聖志は3年目で初めて弟の優作を賞金で上回った。その他では今季途中から欧州ツアーから撤退した佐藤信人やシニアでも活躍中の友利勝良も見事に1年でシード復活となった。
来季も新旧交代の波は続くかもしれないが、ベテラン勢の巻き返しに期待したいところだ。
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