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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/27号
2005/12/15更新
目標だった日本シリーズ優勝で1億円突破
今野康晴はパーオン率1位の安定プレーヤー

 片山晋呉が3日目スタート前に棄権し、何やら主役不在になってしまったゴルフ日本シリーズJTカップだったが、この試合を制した今野康晴は、獲得賞金を自身初の1億円の大台に乗せ、ランクも自己最高の2位へ大躍進した。


賞金ランク2位に躍進

 05年最終戦を制した今野康晴は、プロ9年目の32歳。99年の中日クラウンズを皮切りに、今年のサントリーオープンまでにツアー5勝を挙げている。

 00年にミズノオープンで優勝し、賞金ランク11位となったが、翌01年は体調を崩しランク93位で賞金シード落ち。が、02年には新潟オープン、アイフルカップと2週連続優勝してカムバック。

 この年、賞金ランクは初の1桁台の9位になり、いよいよトップクラスの仲間入りかと思わせたものだ。

 しかし、03年は賞金ランク53位、04年は同33位と再び低迷。ハタからは、いかにもムラがあるように思える数字の推移だが、今野自身は「スウィングも体作りも、生活も、常に新しいことをしなきゃという思いがあったための低迷」というから、ある意味、覚悟の雌伏期間でもあったようだ。

「順位や賞金額よりも、いいスウィングができたほうが満足度が大きい」と成績よりもスウィング優先という今野らしい部分もあったのでないだろうか。

「サントリーで勝ったとき、賞金王とか言われましたけど、自分自身は、これまで最高の9位ぐらいになれればいいかなと、賞金ランク上位なんて頭にありませんでした。それよりワールドカップに行くほうが、いい経験になるんじゃないかと」

 ワールドカップは、国内では屈指の高額賞金の三井住友VISA太平洋と同週開催。本気で賞金王を狙う選手なら、この時期の海外遠征はパスしたいところだ。

 しかも、開催地はポルトガル。片道17時間もかかる遠隔地。それでも今野は「トップクラスの選手は出ていなかったけど、米ツアーの中堅クラスとなら十分互角に戦えるということがわかり、自信になりました」と、しっかり『いい経験』を自分のものにして帰って来た。

 そして一番の収穫は、これまでトレーナーの菅原賢氏と取り組んできた体作りが順調に推移していることが確認できたことだと言う。

「海外遠征に行ってシーズンの終盤を迎えるのはどんな感じかな、と思っていたのですけど、想像していたより体が疲れていないんです。
 例年だとボールを打つのも辛くなって、ただゴルフをしているだけ、という感じになってしまうんですけど、カシオも日本シリーズも体力的にまったく不安がありませんでした。トレーナーと契約して4年目ですが、本当に一生懸命やってくれています」

 ポルトガルから戻り、ぶっつけ本番で臨んだカシオワールドで、初日こそ3オーバーの68位タイとミッシェル・ウィに2打及ばないスコアだったものの、2日目以降は68、69、68と60台を並べ、終わってみれば首位の谷口徹と3打差の単独3位。このあたりから順位や賞金額へ執着も多少出てきたようだ。

「カシオで優勝できたら、逆転で賞金王もあったんですけど、でもできなかったので、何としてでも2位に入りたいというのが、(日本シリーズの)初日からありました」

 そして「順位はともかくとしてプロとして1億円の大台には乗せてみたい」と金額にも意欲を見せるようにもなっていた。

 最終的に獲得賞金1億1800万円余りでランク2位。いずれも自己最高をマークしてシーズンを終えた。

 日本大学ゴルフ部時代は、95年日本オープンのローエストアマを獲得や関東アマ、関東学生優勝などのタイトルなどがあるものの、日大の1年先輩には片山晋呉、横尾要、宮本勝昌といった強豪がおり、それほど目立つ存在ではなかった。

 今野の妻・崇乃子さんによれば「1・7流」だと言う。今回の優勝でその評価は「1・2流」へと格上げされたが、その理由は、まだギャラリーの中で正しく「いまの」と呼ばずに「こんの」と呼ぶ人がいるからだとか。

 今年の活躍で来年からは間違いなく「いまの」と呼ばれるようになるだろう。

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