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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 1/10-17号
2006/1/11更新
世界NO.1に返り咲いた30歳のタイガー
「飛距離のアドバンテージ」がますます明確化

 米男子ツアーはここ5~6年、タイガーを中心に、V・シン、P・ミケルソン、E・エルス、R・グーセンといったトップグループが実力で中堅グループと大きく水を開けると同時に、同じ顔ぶれがメジャーなどで優勝争いをしている。


「タイガー王国」は安泰

 05年はタイガー、シン、ミケルソンの3人だけで14勝も挙げている。米ツアーは年間48試合あるが、ビッグネームが出場する試合はメジャーやWGCの試合などに限られており、実質的には30試合弱なので、この3人だけで出場する試合の半分を制したことになる。

 2000年の賞金ランキングトップ10の平均年齢が32.2歳、そして5年後の2005年のトップ10の平均年齢は37.1歳。

 05年のトップ10にはD・デュバルや故障で後半戦試合に出られなかったエルスらが含まれていないが、逆にS・ガルシアがトップ10入りするなど、入れ替わりはあるものの全体から見るとこの5年間、トップグループがそのまま年をとってしまったという感がある。

 一般に年をとると、飛距離が落ちるといわれているが、用品の進歩もあって、いまや平均で300ヤード飛ばすのが当たり前になっている。5年前には平均で300ヤードを超えるのがJ・デーリー唯一人で、290ヤードを超えるのもタイガーを加えた二人だけだった。

 05年には、ちょうど平均300ヤードというミケルソンが飛距離のランキングで26位。丸山茂樹は00年には281.1ヤードでランキング26位だったが、05年には288.8ヤードと飛距離を伸ばしているものの、ランキングでは98位にまで転落している。

 そして、タイガーの場合は04年より15ヤード強も伸ばして平均316.1ヤードの飛距離を誇っている。「年間平均で316ヤード」というのは、ドライバーを使わないホールを含むため、330~340ヤードは普通に飛ばしているということ。

 つまり、450ヤードのパー4で2打目の残りが110~120ヤード。この距離ならラフに入れても、ピンを狙って行けるというわけだ。事実タイガーは、フェアウェイ以外からグリーンに乗せる確率を04年の52.9パーセントから56.9パーセントへと4パーセントもアップさせている。

 またラフからピンに寄せる距離も平均12メートル強から約11メートルとしている。ショットが乱れても飛距離でカバーし、長めのパットを決めてワールドランキングのトップに返り咲いたというわけだ。

 05年に賞金王の座をタイガーに奪われたシンにしても、ショットが悪くなっているわけでは決してない。統計で見ると平均飛距離が301.1ヤードで、フェアウェイキープ率60.2パーセントと、04年の数字とほぼ同じ。

 あえて言えば、平均パット数が05年には1.767と前年より0.01高くなり、ランキングで37位から60位へと転落したのが、ワールドランキングトップの座から滑り落ちた理由と言えるだろう。

 しかし米ツアーのコースは、年々ラフが深く、グリーンが早くなっている上に、メジャーではヤーデージが7400ヤードを超えるのが当たり前というほどセッティングが難しくなっている。その中でもトップグループの平均ストローク数は、ほとんど変わっていないのには驚かされる。

 それだけハイレベルの戦いが繰り広げられている証明だろう。それに反して米ツアーのテレビ視聴率が伸び悩み、07年からは大幅なスケジュール変更が予定されているのは、何とも残念な事態と言える。

 現在の米ツアーでは、賞金ランキングトップ10の37.1歳という平均年齢は、ゴルファーとしての円熟期を表す数字なのかも知れない。そうした意味では、2月に43歳になるシンの場合、ツアープロとしての峠を超え、パッティングのタッチが悪くなっていると言えそうだ。

 これに対して12月30日で30歳になるタイガーが、「自分の本当の絶頂期は、30代になってからだ」と語るのも理解できる。06年も「タイガー王国」は健在だろう。

 年齢で言えば、丸山茂樹も06年9月には37歳になる。「プロの絶頂期」を迎えるはずの年代だけに、また優勝のスマイルを見たいものだ。

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