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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/10-17号
2006/1/11更新
藍ちゃんとさくらの「代理戦争」と呼ばれる
V-iQとゼクシオ、水面下のプロモーション

 06年、米国に活躍の場を移す宮里藍と国内で頂点を目指す横峯さくら、この二人の成績に一番気をいるのはクラブ契約先のブリヂストンスポーツとSRIスポーツ関係者だ。

 いまやCM界からも引っ張りだこの宮里藍だが、彼女自身のキャラクターをもっとも前面に押し出しているのが、現在放映されているブリヂストンスポーツ、ニューV-iQのテレビコマーシャルだ。

 キャッチコピーもずばり「藍が飛ばす理由」。また、新商品発表会を米女子ツアーQTファイナルの翌火曜日に設定し、トップ合格したばかりの宮里のメッセージを現地のロッカールームで撮影、プロモーションビデオに編集して会場で流すなど文字通りV-iQブランドの看板娘として起用している。

「V-iQと藍ちゃんの結びつきを生かしたい。藍ちゃんに使ってもらい成績を残すことが品質の裏付けにもなる」(同社クラブ企画部/大島信一氏)

 今後も宮里ありきのプロモーション戦略を計画するブリヂストンスポーツに対して、迎え撃つSRIスポーツは、

「一選手によりかかるのはリスキー」(同社経営企画部/藤田英明課長)としながらも、4代目ゼクシオ記者発表会には、試合の合間を縫って横峯さくらと中嶋常幸が駆けつけ強力な援護射撃を行った。

 また、クラブ開発競争の舞台裏を扱ったテレビ東京系列のドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(放映済み)では、スケジュールをやりくりして、ゼクシオのテストを行う横峯を画面に登場させた。

 このときブリヂストン陣営は宮里のスケジュールの都合がつかなかったため、前哨戦ではSRIスポーツが半歩リードした格好となった。

 さて、前作3代目ゼクシオは初年度に22万本(2003年、ウッド合計)を販売したが、4代目はこれをさらに1万本上回る23万本の販売目標を掲げている。これに対して2代目V-iQは初代V-iQの5割増、25万本という高い目標を打ち出し、横綱格のゼクシオに真っ向から挑む姿勢を明確にした。

 開発も異例ともいえる速さで進められた。同社の場合、翌年モデルの新製品がプロに支給されるのは、例年10月初旬頃。先に発表されたXドライブのニューモデルも実戦にお目見えしたのは東海クラシックからだった。

 それが、「QTに向けて早く使いたい」という意向もあって、8月末のヨネックスレディスには、早くも宮里の手に真っ黒にカモフラージュされたニューV-iQが握られていたのだ。
 そして幸先良くブラックバージョンのV-iQで日本女子オープンに優勝、量産タイプが正式にお披露目されたIDC大塚家具レディスでもいきなり優勝するなど計3勝を挙げ、ニューモデルの認知度を高める孝行娘ぶりに関係者は目を細める。

「初代V-iQがデビューした時点ではまだ藍ちゃんは使っていなかったので、ターボラバーなど機能的なインパクトで売ってきました。ツアーステージブランドということで当初は上級者向きというイメージでとらえられていましたが、藍ちゃんはじめ女子プロが使って結果を出すことで手にとってもらえるようになりました」(同社広報室/星三和子氏)

 2代目では彼女の両肩にさらに大きな期待がかかる。「今までは、初回の供給で欠品してしまうことが多かったのですが、年内に十分な数量を用意して売り逃しをなくしたい」(前出/星氏)と開発、生産、PRが一体となっての万全の構えだ。

 一方、SRIスポーツは、「オールニューゼクシオは前作を上回る商品、販売でも前作を下回るとは考えていない」(前出/藤田氏)と強気で、王座を死守するため盤石の体制を敷いている。

 その一つが価格戦略だ。今回、フルチタンボディだったフェアウェイウッドをマレージングボディ+チタンフェースにするなどして、希望小売価格を2割近くダウンさせた。

「従来2本入れていたフェアウェイウッドを3本も4本も入れる人が増えています。ドライバー6割に対しフェアウェイウッド4割程度と読んでいますが、前作よりフェアウェイウッドの比率が高まりそう」(藤田氏)とターゲットを定めている。

 また、ドライバーも「凝った造りをしながら価格は据え置き」とお買い得感を強調しているほか、ソールのバッジやシャフトのカラーリングをオーダーできるようにして、新しいユーザー層の取り込みもねらっている。

 そしてもう一つ、ライバルの追い上げをかわす切り札として高反発モデルの存在がある。

「大きな流れは適合モデルに向かっています。軸足はそちらに置いていますがユーザーの選択肢は残しておくべき」というのが同社の判断だが、先に行われた展示受注会を終えて、「発売当初は高反発モデルの比率が予想より高まるかも」(藤田氏)と高反発モデルに手応えを感じており、SRIスポーツとしてもスタートダッシュでライバルを一気に突き放したい考えだ。

 これまで同社では店頭掲示ポスターなどは例外として、ゼクシオシリーズのコマーシャルでは横峯や古閑美保を起用して来なかった。効果は認めているものの、今後もプロを訴求の切り口にはしないと、ブリヂストンスポーツのPR戦略とは一線を引いている。

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