実質的に「SLE適合ドライバー元年」を迎え、横一線の再スタートから抜け出すのはどのメーカーか。05年を振り返りつつ、06年のゴルフ用品界を推測してみよう。
「数で言えば、ナビG、ゼクシオにV-iQが続いた。また、飛ぶという評判が口コミで売れたのはr7XR、JPX、ERCホットなど」(二木ゴルフ南町田店/堀内満副店長)
このほか他社に先駆けてSLEルール適合を売り物にしたナノブイが、ヨネックスとしては新しいユーザー層である競技志向のゴルファーも掘り起こし、売れ筋の上位にランキングされた。
こうして見ると05年の勝ち組となったのは、は飛距離、ルール適合、女子プロが使用するクラブ、といったセールスポイントがストレートで伝わりやすいドライバーだったといえる。
06年にはドライバーの勢力図がどう塗り替わるか。すでに大手メーカーは、高反発モデルを継続するSRIスポーツとマグレガーゴルフを除いて、適合モデルにシフトしており、各社が同じスタートラインに立つことになる。
この機に起死回生をと目論むメーカーも少なくないが、勝ち組と負け組の差はかえって広がる可能性がある。短期間の開発競争となれば自ずと資本力がものをいう。
中でも大がかりな弾道計測システムを導入するボールメーカーらが有利になるという見方もあり、12月に本格的なテストセンターをオープンさせたブリヂストンスポーツは早くもライバル社からマークされている。2006年商戦はすでにスタートしている。
「データ計測しても飛距離にさほど差がないのでゼクシオの適合モデルを予約される方が多い。やはり高反発を使うことには少し引け目があるようです」(前出/堀内氏)
ルール適合クラブへの流れが加速するか、高反発が踏みとどまるか、どちらへ転んでもゼクシオの強さは相変わらずといったところか。
アイアンでも販売店サイドの期待はゼクシオに集まっている。
「万人受けするクラブ。ゼクシオを持っていれば安心という方は多い」(堀内氏)
比較的買い替えサイクルの早いドライバーやパターに比べて、アイアンは慎重にならざるを得ないゴルファー心理が窺える。熟成を重ねたキャロウェイX-18の人気が高いのも同じ理由だろう。
また、05年はやさしさと打感の良さを併せ持つ軟鉄鍛造キャビティアイアンが各社から登場し人気を得た。
「使えないと思っていた人でも、打ってみるとやさしい。ツアーステージフォージドが予想以上に動いた」(堀内氏)
このカテゴリーは06年も要注目だ。
パターでは、相変わらず2ボールの強さが目立ったが、後半はテーラーメイド、ロッサシリーズが躍進した。流行の中尺タイプも欠品状態が続いているが、キャロウェイが新型パターを投入するという情報もあり、「ポスト2ボール」の座を巡っての動きにも注目だろう。
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