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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/24号
2006/1/12更新
PGAのシニア認定プロ制度が今年から廃止
ティーチングプロ枠でのツアー出場に変更

「五十を過ぎたら、シニアの認定プロになるぞ!」と酔った勢いで宣言するゴルフ仲間もいたのでは? ところがこのシニア認定プロ制度(正式名称はシニアツアー登録プロ制度)は今年から廃止されることになった。これによりアマチュアからシニアツアーの出場権を得る道は閉ざされた。同制度廃止のワケと反響を聞いた。

 日本プロゴルフ協会(PGA)のシニア認定プロといえば、かつて霍本謙一や古市忠夫(ともにその後、プロテスト合格)、あるいは伊沢利光の父親・利夫氏や人気アイドルグループ「DA BUMP」のISSAの父親・辺戸名求氏など、多士済々なプロを輩出した制度だ。

 この制度により、昨年までは一般アマを含むPGA非会員は選考会から2次にわたる予選会を経て、シニアツアーの出場資格を得ることができれば、アマチュアでも認定プロとなり賞金を獲得できた。

 ところが、この制度は昨年の05年を最後に廃止。今年はアマを対象にしたシニアツアーの予選会は実施されない。基本的にプロでなければシニアツアーに出場できないことになる。

 廃止の理由をPGAの担当者は、
「もともとはシニアツアーの活性化を目的に、実力のあるアマチュアの出場を図るために設けられた制度です。ところが、この登録プロはその年限りのツアー出場資格なのですが、その後も認定プロを肩書に活動するといった、PGA会員の権利を侵害する事例が増え、会員の間からは前々からクレームが届いていました。それで廃止に……」
 と説明する。

 また、ある関係者によれば、倉本昌弘、尾崎直道といった世代がシニア入りする時代を迎え、シニアツアーも選手層が厚くなった。

 もはやトップアマチュアを呼び込まなくても、活性化は図れる。さらに一部からは、米シニアツアーのように出場選手数を絞って、トッププロだけが出場できるツアーにするという案も挙がっているそうだ。

 ちなみに米シニアツアーの場合、QTから出場資格を得るには、7位までに入らなければならない。それほど、トッププロだけが集うツアーになっているのだ。

 だが、同制度の廃止に対しては、PGA事務局にも苦情が寄せられているそうだ。

 自身もこの資格でシニアツアーでプレーしていた徳永雅洋(現ティーチングプロ)は、「いわゆる認定プロを夢見て、練習に励んでいた人がたくさんいましたからね。そういう人にとっては寂しいでしょうね。実際、目標がなくなって寂しいという声を聞いていますよ」と語る。

 ところで、かつて「スーパーサラリーマン」としてアマチュア界に名をとどろかせた徳永だが、いつの間にかティーチングプロになっていた。実はこれも同制度廃止と関係していた。

 PGAでは廃止を前に、昨年の予選会通過者に対しては、特別にティーチングプロC級の受講資格(一般アマチュアから受講資格を得るには、ゴルフ場等での3年間の研修経験を要する)を与え、その講習会申込みを条件にシニアツアー登録プロとして登録した。そうすることで彼らは、今年からはティーチングプロの枠でシニアツアーに挑戦できることになったのだ。

 簡単に言えば「認定プロ制度は廃止する代わりに、ティーチングプロにしてあげましょう」ということだ。

 そして、一般アマチュアからプロテスト合格以外でシニアツアーの出場権を得る方法も、講習期間1年のこのティーチングプロC級に合格することなのだが、そのC級は05年度で廃止。06年度からはC級とB級を合わせた講義内容の制度が発足し、講習期間は2年となる(受講資格取得の3年間研修は変わらず)

 いずれにせよ、アマチュアからのシニアツアープロへの道は閉ざされたということだ。

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