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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 1/31号
2006/1/19更新
アップルビー3連覇のメルセデス選手権で
「マスターズ出場」を賭けた水面下の戦い

 昨年のツアー優勝者だけが参加できるメルセデス選手権で、豪州のスチュアート・アップルビー(34)が3連勝した。PGAツアー史上、同一試合の3連勝というのは15人目の快挙だ。タイガー、ミケルソン、グーセン、ハリントンといった大物たちが不出場でいささか盛り上がりには欠けていてが、じつはこの大会では、世界ランキングを巡って水面下で熱いバトルが繰り広げられていたのだ。

 日本では、正月明けというと、芸能人たちがこぞってハワイ詣でする話題が多いが、アメリカ本土から見ると、ハワイは結構遠い場所にある。とくに米東海岸やフロリダ周辺に多く住むプロゴルファーにとっては、一度、西海岸を経由してからハワイに行かなくてはならず、日本で考える以上に移動に時間がかかるのが実情だ。

 加えて、米PGAツアーは年末に2カ月のオフシーズンがあったとはいえ、トッププレーヤーたちは11月、12月にも日本やアジア諸国で出場しなければならない試合がそこそこ続き、ある意味では、今季の準備や調整がまだ完璧ではない状態にある。

 タイガーをはじめとするトッププロたちがハワイでの試合をスキップするのとは逆に、現在、真夏でトップシーズンにあるオーストラリアのアップルビーが、「この試合では負ける気がしない」と語るのも頷けるだろう。

 同じようにニュージーランドのマイケル・キャンベル、フィージー出身のビジェイ・シンらにとっても、ハワイは気楽に試合が出来る雰囲気があるようだ。

 そうした中、調子が悪くてもこのメルセデス選手権をスキップできないプレーヤーたちが少なからずいた。J・ゴア、B・ファクソン、R・ガメス、W・ショート、T・ペトロビック、H・スロカムといった中堅クラスのプレーヤーたちだ。

「今年のマスターズに出たい」(J・ゴア)というのが、その理由。昨年末の時点で、ワールドランキングでトップ50に入ることが出来ず、マスターズの招待がまだ確定してないからだ。

 かつては、米ツアーに優勝すると自動的に翌年のマスターズに招待されたが、7~8年ほど前に招待の規定が変更されている。

 マスターズ委員会にすれば、このほかに米ツアーの賞金ランキングでベスト40(前年)に入っていれば、招待を受けられるという規定があるので、これでほとんどの優勝者をカバーできるという発想だ。

 しかし、例えばゴアのように、ネーションワイドツアーをベースにしながらも、シーズン後半からレギュラーツアーに参戦できるようになった選手や、故障などで出場試合が少なかった選手の場合、優勝してもワールドランキングのベスト50と、賞金ランキングのベスト40に入れない場合がある。

 とはいえ、すでにマスターズの招待枠がすべて埋まってしまったわけではない。現時点で99名の招待状が発送されているという話だが、3月下旬のプレーヤーズ選手権に優勝するか、マスターズの前週に発表されるワールドランキングベスト50位、あるいは2006年の米ツアー賞金ランキングでベスト10入りすれば、まだ招待を受けられる。

 メルセデス選手権は、予選カットのない試合だが、今回、最下位だったゴアですら、7万ドル(約800万円)の賞金を手にしている。

 もちろん、3月下旬時点で賞金ランキングのベスト10入りするためには100万ドル以上稼がなくてはダメだろうが、少しでもマスターズに近づくためには、目の前のチャンスを捨てるわけにはゆかないわけだ。

 逆に、すでにマスターズの招待を確定させているビッグネームたちにとっては、今の時期は十分にオフの調整を行ってから良いコンディションで試合に出て来られる。

 これから約3カ月、マスターズ出場を狙って必死にプレーするプロたちとビッグネームとの争いで試合が展開することを頭に入れておくのも、米ツアー観戦の見所のひとつだろう。

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