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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/14号
2006/2/3更新
スウェーデンが圧勝した世界女子W杯
日本チーム惨敗でも深夜視聴率は9.8パーセント

 宮里藍&横峯さくらのペアで臨んだ日本代表の連覇はならず、女王アニカ・ソレンスタムとリサロッテ・ノイマンのペアが出場したスウェーデンが、実力どおり圧勝した第2回ワールドカップ女子ゴルフ。南アフリカを舞台に繰り広げられた女子プロたちの戦いは、昨年に比べてどう進化し、来年以降どう変わっていくだろうか。


ベテランコンビが実力発揮

 優勝の期待を一身に背負って、20歳のコンビで挑んだ日本だが、結果は12位と惨敗。にもかかわらず、日本での人気は相変わらずだった。

 日本でのテレビ放映(NTV系)視聴率は、深夜にもかかわらず2日目に9.8パーセントを記録した。もちろん最終日が10.9パーセントで、日本チームが優勝を決めた瞬間には13.6パーセントにまで達した昨年には及ばないが、深夜のスポーツ番組ということを考えれば、番組としてはかなり健闘した。

 では、現場はどうだったのだろうか。アパルトヘイト(人種差別)が収まり、男女格差の問題が浮き彫りにされているのが現状の南アで、女子プロゴルファー2人が立ち上がったところから、この大会は生まれた。

 各国への根回しからスポンサー探しなどが地道に行われ、開催にたどり着いた昨年の第1回大会は、予想以上の大成功に終わった。

 結果は日本チームの優勝。もちろん、日本ゴルフ界にとってはそれだけで大きな意味を持つが、その後の宮里の活躍が、同時に世界に対しても大会の名を広める効果を生んだ。

 海外に風の便りで届く日本での活躍もそうだが、おおきかったのは米ツアーQTのトップ合格だ。しかも12打差圧勝という結果は、宮里藍という選手をクローズアップし、その経歴と同時にワールドカップが再び思い出されたといっても過言ではない。

 そして、舞台をサンシティに移した今年の第2回大会。昨年は苦労してあちこちからスポンサーを集めていたが、その成功から今年は日本で男子ツアーも主催しているアコムがスポンサーになって、資金的にもかなり潤沢だった。。

「社会貢献という立場から行っているスポーツ支援の一環で、創業70周年記念の意味合いもありました」(広報部・山田善道氏)

 露出度の高さ、イベントとしての価値なども考慮してのことだろうが、来年のスポンサーについては、未定ということだ。

 こうした大会は、継続することでイベントとして育っていくもの。今回、同大会の規模が大きくなったことは、前夜祭一つをとってもよくわかる。小規模だった昨年とは一転。南アでは誰もが知っている女性歌手たちが登場するようなものになっていた。

 この辺りの背景を、大会が立ち上がった頃から見守っているダンロップスポーツ・エンタープライズの平山のぶ子常務は、こう分析する。

「社会的背景もあり、女性だってここまでできる、ということにこだわっているのがよく伝わってきました。よく育っているのでは」

 その舞台で繰り広げられた熱い戦い。ここで世界最強として認知されているスウェーデンチームが結果を残したことの意味もまた大きい。

 開始から数年で消えてしまうイベントも少なくない中、これによって大会としてハクがつく。さらにこの先、各国が精鋭を送り込む意識が高まり、さらに大会がヒートアップする可能性が高まったからだ。

 また、経験不足をはっきりと認識し、リベンジを誓ってコースを去った日本のように、各国選手が世界で自分のポジションを感じることが、女子ゴルフのレベルアップにつながる。

 ところで、前出の平山氏はこうも語っている。
「大会が大きくなればなるほど、ずっと開催地が南アでいいのか、と言う疑問が生じてくるはず。もちろん、しばらくは『女子の力を見せたい、南アのゴルフを活性化させたい』という当初の熱い思いで大会を定着させる事が大事だとは思いますが」と。

 世界の女子ツアーは昨年、一堂に会する会議が初めて行われ世界ランク導入が決まるなど、日進月歩。あと数年もしたら、男子のように世界中を巡回する大会に様変わりしているかもしれない。

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