先月末に米国で行われたPGAマーチャンダイズゴルフショー。ここ数年、低調だったこの世界最大のゴルフ用品ショーもようやく活況を取り戻したようだ。
1月26日から30日に開催された今年のPGA用品ショーは、世界75カ国から4万4000名弱の入場者と1200の出展社を集めた。
毎年、アメリカ・フロリダ州オーランドで開催されているが、過去数年、ゴルフ界の景気不振と大手メーカーの出展取りや止めなどもあって低迷気味だったが、今年はようやく明るい日差しが見えてきた。
「商品契約の成約数も含め、あらゆる面で今年は、とてつもない数字になっている」と語るのは、ブリヂストンのダン・マーフィ・マーケティング部長。
日本の用品ショーとは異なり、アメリカのPGAショーはメーカーの受注会といった様相を呈しており、入場者も大半がバイヤー(PGAオブアメリカのクラブプロなど)で占められていて、一般ゴルファーの入場は認められていない。
その意味で、この会場での売り上げや契約数が、今年のゴルフ用品界の景気を占う目安ともなるのだが、メーカー側の話を聞いている限り、どうやらアメリカ用品界の景気は、かなり上向いているように思われる。
ショーには、アニカ・ソレンスタムやポーラ・クリーマーといったトップクラスの女子プロをはじめ、グレッグ・ノーマン、ジム・フューリックなどのビッグネームも集まり、大規模な試打会やファッションショー、新製品コーナー、ビジネスセミナーなどが開かれた。
主催者側の努力が実り、会場はバイヤーたちであふれんばかりの盛況だった。
PGAショーは過去5年の間に、タイトリストやテーラーメイドといった大手メーカーが独自の受注会を催すようになりショーから撤退、一時はちょっと寂しい雰囲気だったが、逆にこの間に中小メーカーが力をつけ、盛り返して来たように見える。
この用品ショーのウェブサイトによれば、今年の売れ筋メーカーと商品は、ざっと次の通り。
アパレルでは、フェアウェイ&グリーン、ポロ、アディダス、アッシュワース。
ゴルフボールではタイトリストのプロV1シリーズ。
ドライバーでは、ピン・G5、テーラーメイドのr7クワッド、クリーブランド・ランチャー460。
フェアウェイウッドはテーラーメイドのr5デュアル。
アイアンはピン・G2、キャロウエイ・X18。
ウェッジではクリーブランドのCG10、タイトリスト・ボーケイ。
パターはスコッティキャメロン、オデッセイ2ボールあたりだ。
この他、ナイキやBS、スリクソンなどもクラブ部門で健闘しているらしく、これまで勝ち組とされていた非出展のタイトリストやテーラーメイド以外の他メーカーもかなりのヒット商品を出していることが分かる。
米ゴルフダイジェスト誌が選んだベストホットクラブでも、ドライバー部門では、上記の売れ筋クラブ以外のメーカーとしてアダムス(レッドラインRPM460D)、ボビー・ジョーンズ(プレーヤーシリーズ)、キャロウェイ(フュージョンFT3、X460)、コブラ(スピード)、マグレガー(マックテックNVG2)、ミズノ(MX500)、ナイキ(SQ)、ウイルソン(スタッフDd6)などのメーカーがリストアップされ、業界シェアが変化していることが伺える。
トップメーカー数社の独占状態から、群雄割拠時代に戻りつつあるというのが現状で、それが今年のショーの活況につながっているのかもしれない。
競争が激しくなれば、それだけ良いクラブや用品がリーズナブルな金額で購入できることになり、一般ゴルファーには嬉しい限りだ。さて、日本では今年、どんな用品がヒットするだろうか。
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