ブリヂストンスポーツの「プリセプト」ブランドは、以前は米ツアーで目にすることが多かったが、今は「ブリヂストン」ブランドにとって替わられた感がある。しかし、米市場から撤退したわけではなく、ボールは確固たるシェアを確保。そして、今季は人気女子プロのポーラ・クリーマーと使用契約を結んだ。国内用具メーカーの米ツアー戦略を改めて見てみよう。
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PR度はバツグン
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「プリセプト」というと、かつてはS・アップルビーのバイザーなどにそのロゴが目立っていた。だが、昨年からはそれが「ブリヂストン」(BS)に替わっている。昨年新たに同社と契約したF・カプルスも後者。また丸山茂樹も従来の「ツアーステージ」からBSに替えている。
米市場ではBSブランドに一本化? と思いきや、実はそうではなかった。確かに男子はすべてBSでの契約だが、女子は超人気選手のクリーマーとボールの使用契約を結び、今季から供給することになった。
テーラーメイド・アディダスと総合契約を結ぶ彼女だが、ボールはフリーの立場にあったようだ。関係者によれば、昨年秋に来日した際に、国内ボールメーカー各社にオファーを求めていたという。
そのなかでBSが手を挙げた理由は、「プリセプトのボールは、米市場で確かなシェアを獲得しています。特に女性ユーザーが多く、そこに向けたアピールを継続していきたいとの判断からです」(広報室長・嶋崎平人氏)とのことだ。
米市場では女性ゴルファーの約20パーセントが同ボールのユーザーだという。クリーマーとの契約で高い認知度を維持することで、いずれ米市場に再攻勢をかける際に有利な立場をキープしておこうということだろうか。
ちなみにクリーマーは「ニュープリセプト・レディS・」を使用する予定。ただし、バッグなどにロゴを付けることはないそうだ。
米ツアー選手との契約といえば昨年末、SRIスポーツが全米オープン優勝の経験を持つJ・フューリックと「スリクソン」ブランドで総合契約を結んだことが大きな話題となった。
同社はすでにT・クラーク、R・アレンビー、T・レーマン、M・A・ヒメネス、A・チェイカなどといった有名選手と契約しているが、話題性、注目度ではフューリックが抜きん出ている。米市場ではまだまだ認知度の低い同社の意気込みが伝わってくる。
「単に認知度を上げるだけでなく、用具選びの目が厳しい彼が選んだということで、高い商品性能のブランドイメージがアピールできることを期待しています」(広報部・山田照郷氏)
ところで、米市場における両社ブランドの一般への浸透度は、どれほどのものなのだろう。米市場の事情に詳しい松本秀樹氏(ショップ「ミニボックス」社長)によれば、
「マニア以外の一般に認知され、指名買いもあるのはプリセプトのボールくらいでしょうね。BSは高いブランドイメージが、ようやく広がりつつあるところ。スリクソンはこれからでしょうね」と語る。
ただし、その他のブランドでは、「ミズノは上級者向けの鍛造アイアンが広く知られています。テーラーやキャロウェイと同等の選ばれ方をされていると思います」
そのミズノだが、米ツアープロの契約選手は、現在は若手期待のL・ドナルドのみ。プロ契約は、なぜか控え目。
「主力商品が鍛造アイアンなので、ツアーで一般の認知度を上げても、売り上げに大きくつながらないからじゃないでしょうか」(松本氏)
ミズノに確かめると、「アメリカでは、アイアンの売り上げは順調に伸びています」(広報室・西田維作氏)とのことだ。
米市場では苦心している国内大手メーカーだが、それぞれに戦略の違いがあるようだ。
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