このほど初めて発表されたロレックス女子ワールドゴルフランキング。2位のポーラ・クリーマーに大差をつけて1位の座を獲得したのは、予想どうりアニカ・ソレンスタムで、数字になったことにより、その強さがさらに浮き彫りになった。一方、100位以内に日本ツアーの登録プロが3分の1ランクインしたことになり、予想以上の高順位に驚きと喜びの声が入り混じっている。
|
未勝利でもウィは3位
|
このランキングは、国際化の広がる女子ゴルフの世界をもっと拡大、盛り上げようという主旨で、一昨年の世界女子ゴルフ会議で実施が決定、ようやく実施にこぎつけたもの。
米国、欧州、日本、豪州、韓国の5大ツアーと、英国のレディース・ゴルフ・ユニオン(LGU:全英女子オープン主催)が主催者として名を連ねている。基本的には、男子のそれに倣っているものの、ツアー間の格差のなさが大きな違いとなっている。
過去2年間の成績を基準にして、それをポイント化。1試合平均にしたもので順位をつけるところまでは男子と同じ。
だが、そのポイントは、その試合に世界ランク200位以内の選手が何人出場しているか(ワールドポイント)と、その試合が行われているツアーの前年度賞金ランク50位以内の選手が何人出場しているか(ホームツアーポイント)の合計で示されるというのが特徴だ。
つまり、基本的には米ツアーで優勝しようが日本ツアーで優勝しようが、ポイント換算方法は同じということ。ただし、当然のことながら、世界ランク上位選手が多く出ている試合のほうがポイントは高くなる。
今回のランキングを見て「思ったより日本選手が上位にいるな」という声が多く聞かれた。これは、同じ優勝でも日本ツアーが高く評価されていない男子の例を見慣れている関係者に特に多かったのだが、実は男子も最初の頃は「日本ツアーのポイントが高すぎる」という声が多く聞かれた。
そのため、米ツアーに常駐している選手が苦労して予選を通っても、メジャー参戦のチャンスが少なく「日本でやってたほうが得なの!?」という不平まで出ていたほどだった。
だがその後、各ツアーに格差が広がり、圧倒的に米ツアーがポイント的に有利になってきた。それでもまだ、国内ツアーにほぼ専念している片山晋呉が、米ツアー常駐の丸山茂樹より上位にはいるが、それでも世界的に見てある程度、安定してきているのが現状だ。
女子ツアーに関していえば、米ツアーが最強という点では文句のつけようがないところだが、男子ツアーほど歴史がないため各国で、どれほどの違いがあるかを決めるのが難しい。
そんな事情もあって、スタートは横一線になったのだろうが、今後、色々な変化が加えられることは十分に予想できる。
また世界ランクは男子では、メジャーの出場資格の基本としてしっかり根付いた感があるが、女子ではまだそうはいかない。
現時点で全米女子プロ選手権と全英女子オープンがすでに世界ランクを採用することになっているが、ランキング発表から1カ月強で大会が開催されるクラフト・ナビスコ選手権と、USGAが主催する全米女子オープンに関しては、いまのところ明らかになっていない。しかし今後、男子同様に採用される可能性が極めて高い。
発表時期に関しては、各ツアー関係者が集まる1月のワールドカップ辺りと見られていたが「スポンサー(ロレックス)がらみで遅れた」というツアー関係者の証言もあり、米ツアー開幕戦前には間に合わなかったようだ。
ところでこれから気になるのは、世界ランクが日本勢の海外進出にどう影響するかということ。試合数の少ない韓国、豪州ツアー、賞金の安い欧州ツアー勢は、実力さえあれば米ツアーに出て行く傾向にあるが、試合が多く、賞金もしっかりしている日本では、海外に出て行かない選手が多い。
今年は宮里藍、諸見里しのぶという若い実力者達がQTを突破して出て行っているものの、「今の順位(6位)をキープすることは大変だと思いますが」と、はからずも宮里自身が洩らしている。いずれにせよ、昨年日本で頑張ったと同程度には活躍しないとポイントを稼げないだろう。
もちろん、そんなことには構わず、強いフィールドで実力をつけ、さらに上を目指し、世界ランクに相応しい活躍を期待したい。
≪女子世界ランキング≫(2/24現在)
1 アニカ・ソレンスタム
2 ポーラ・クリーマー
3 ミッシェル・ウィ
4 不動 裕理
5 クリスティー・カー
6 宮里 藍
7 ロレーナ・オチョア
8 ジャン・ジョン
9 ハン・ヒーウォン
10 ジュリー・インクスター
(11位以下の主な選手)
11 グレース・パーク
12 カリー・ウェブ
13 横峰 さくら
14 大山 志保
17 藤井 かすみ
18 ナタリー・ガルビス
31 米山 みどり
32 服部 道子
36 表 純子
37 福嶋 晃子
45 諸見里 しのぶ
|