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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 3/14号
2006/3/2更新
自主再建中の浜野GC、管財人が更生案提示
「株主」&「預託金」会員権の併用に向かう

 さる2月22日、浜野ゴルフクラブを経営する株式会社国際友情倶楽部の更生計画案について、債権者向けの説明会が開催された。この日公表されたのは管財人作成の草案で、債権者の意見を参考に正式な計画案に仕上げ、2月末には裁判所に提出される模様だ。


千葉の人気コース浜野GC

 計画案の可否を問う債権者集会は4月下旬頃となる見込みで、計画案通りに債権者への弁済が済めば、今年夏には更生手続きが終結することになる。

 浜野のコース施設に設定された極度額200億円の根抵当権を巡り、6年にも及んだ法廷闘争に結論が出たのは昨年11月。最高裁から抹消を命じる決定が下り、晴れて会員側が勝利を手にすることが出来た。

 抹消が認められれば会員による自主再建、認められなければ担保権者であるゴールドマン・サックスグループをスポンサーとする再建となる重要なこの裁判、最高裁は会員側に軍配を上げた。

 今回管財人から提示された案では、(1)預託金債権者ではない債権者(日東興業のみ)、(2)会員のうち退会希望者、(3)会員ではない預託金債権者、つまり念書売買で浜野の会員権を持っているが、入会手続きをしていない債権者、そして④継続希望の会員の合計4種類に債権者を分類、(1)~(3)と、(4)とで異なる条件になっている。

 まずは(1)~(3)の債権者は一律83パーセントカット、計画案認可確定から4カ月以内に残り17パーセントが一括で支払われる。

(4)の継続希望会員については、まず預託金の83パーセントがカットされる点は、(1)~(3)の債権者と同じだが、残り17パーセントの扱いが異なる。

 株式会社国際友情倶楽部の株を正会員には2株、平日会員には1株を割り当てる。1株あたりの割当金額は35万円なので、正会員は70万円分、平日会員は35万円分の株券の割当を受けることになる。

 そして、この70万円もしくは35万円の代金に、カット後の預託金債権を充当することが出来るので、大半の会員は新規の払い込みは不要だ。

 たとえば、額面680万円の正会員であれば、83パーセントカットで残りが115万6000円。このうち株式代金70万円分は相殺出来るので、残りは45万6000円になる。

 さらに、この残り45万6000円の8割のカットに応じてもらい、残り2割にあたる9万1200円は10年据え置きの預託金として残してもらう計画になっている。つまり、株券の割当を受ける継続会員には、2次カットを要請するというわけだ。

 例外は額面が420万円の会員だ。83パーセントカットすると残りは54万6000円となってしまい、株券の割当金額である70万円を割ってしまう。そこで、25万円の追加負担金を求めるが、支払いは2年以内でいいことになっている。

 継続会員とそれ以外の債権者間、そして継続会員間との差をきめ細かく意識したものになっているのは、債権者平等の原則がより重要視される傾向が強まっているため。

 鹿島の杜カントリークラブの再生計画案が、債権者間の公平性を欠くことを問題視した東京高裁が、認可決定を取り消す判断を下したことが教訓になっているのだ。鹿島の杜のケースでは、会員とそれ以外、そして会員間の扱いも平等ではないという判断だった。

 名変停止中の浜野の会員権は、「念書売買で500万円という話も聞く」(会員権業者)と言われるほど。それを70万円で割当てるのだから、他の債権者と同列には扱えない。

 そんな相場状況では、退会を希望する会員はいないはずだが、念書売買で購入しながら、入会審査をクリア出来ない人がもらえる金額は額面のわずか17パーセント。最初から含み益がある株券を割り当てられる継続会員には、二次放棄くらいは飲んでもらわないと、ということになる。

 また、額面が安い会員だけが二次負担を求められずに済む、というのも平等原則に反する。この際、預託金はきれいさっぱりなくしてしまえばとも思うが、「債権放棄を求められる総額にも会員間で差がでるので、そのために預託金を残す」(管財人の手塚一男弁護士)という考えだ。

 更生手続きが終結すると、負債はほぼ2億円弱の預託金のみとなる浜野。直近決算では7億4000万円の売上に対し、利益は7500万円。ようやく実現する会員の自治を守れるかどうかは、今後の経営状態次第。更生手続き終結はゴールではなくスタートとなるだろう。

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