今年から日曜日を開催日程に組み込んだり、試打コーナーを増やすなど、ユーザーイベントへと徐々に転換を図ったジャパンゴルフフェア。しかし、ほとんどのメーカーが単独の展示受注会を早々に済ませ、フェアが開催された頃には、すでに新製品が店頭に並んでいる状況とあって、目新しさが少なくなっていたのも事実だ。
そんな中で、米国の2大メーカーが、ゴルフフェアに合わせて2006ニューモデルの追加発表を行ったのが、目を引いた。
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若い世代向けのクラブも登場
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サプライズを用意していたのはテーラーメイドとキャロウェイ。両社とも昨年12月に展示受注会を行い、それぞれr7・425、ERCホットツアーなどを発表したが、テーラーメイドはゴルフフェア前々日、キャロウェイは当日の会場内で2回目の発表会を開いた。
テーラーメイドは一昨年、r7クワッド、昨年はr5デュアルを同じタイミングで発表しており、ゴルフフェアの話題をさらった。そして今年は、r5の後継モデルとなるr7・460を発表した。先に登場したr7・425が4箇所のウェート調整カートリッジを備えているのに対し、r7・460は2箇所になっている。
対象ユーザーもr7・425が上級者向けなのに対し、r7・460は初中級者まで広げられていることから、r5デュアルの後継モデルと考えていい。
昨年登場したばかりで、いまも売れ筋ドライバーの一つに数えられるr5デュアルだが、あえて生産を終了し、r7・460を投入したのは、米国のマーケット事情によるものといえそうだ。
ツアーでの使用率が高く、アスリートイメージの強いブランドだけに、米国では上級モデルのr7シリーズの人気が高い。そのため、従来のr5をr7シリーズに格上げした格好になる。
また、大手メーカーが相次いで撤退した米国PGAショーで中心的役割を果たしているキャロウェイも、ジャパンゴルフフェアに大きな目玉を用意した。
ERCIIICFドライバー、ERCホットアイアン、ERCチタンアイアン、Xツアーウェッジなど、5月から6月にかけて発売予定の商品にもかかわらず、ショーに合わせて前倒しで発表した形だ。
とくに、注目を集めたのが、今後フルチタンは作らないと明言したはずの同社が方針を転換し、7年ぶりに作ったフルチタンドライバーのERCIIIだ。
4機種とも同社最大の特色であったショートホーゼルを採用していない。独自の技術を売り物にしてきたキャロウェイらしくないという意見に同社はこう反論する。
「ケミカルミルドという新しい加工技術で、クラウンをさらに薄くすることで、フルチタンで最大慣性モーメントのクラブを作ることができました。オーソドックスなデザインは、これまでキャロウェイを使わなかったユーザーにも間口を広げる製品として期待しています」(同社PRマネージャー/松尾俊介氏)
一方、国内メーカーで話題を提供したのはマルマンだった。
「毎年2桁増を目標に、かつてのシェアを取り戻したい」(同社/安島正美CEO)とする同社では、会場内で福嶋晃子のチーフテクニカルオフィサー就任と、米国のパター・メーカー、ウィットラムゴルフ社との販売契約締結の発表記者会見を行った。
このほか、21歳の田中浩章社長が、「自分と同じ世代の人に使ってもらえるクラブを作りたい」と自らデザインしたドライバーとアイアン4機種で立ち上げた『ヒーロー』や、クラウン後方を大きく盛り上げた独創的なデザインのフェアウェイウッドを出品した『ヘクサス』など、ゴルフフェアで初お目見えした新ブランドは、ゴルフ業界の元気の素として楽しみな存在だ。
本格的ゴルフシーズンに向けて、こうした新商品がゴルファーにどう浸透していくのか、注目したい。
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