2月24日~26日に開催されたジャパンゴルフフェア。最終日が雨にたたられ、総入場者数は目標の5万人には達しなかったが、2日目には2万人余が押し寄せるなど過去最高の入場者数を記録した。そして、そんななか会場の一角で開催されたあるセミナーが、大勢の業界関係者の参加で熱気にあふれた。
同フェア初日、会場の東京ビッグサイトのセミナールームで、300人近い業界関係者が出席する講演会及びパネルディスカッションが行われた。ゴルフ市場活性化委員会(GMAC)主催の「市場活性化セミナー」だ。
GMACは日本ゴルフ場事業協会、日本パブリックゴルフ場事業協会、日本ゴルフ用品協会、全日本ゴルフ練習場連盟のゴルフ産業4団体と日本ゴルフ協会によって04年11月に結成された。
「各団体が保有する機能を結集し、ゴルフの新たな魅力を創造し、ゴルフ人口を拡大し、停滞が続くゴルフ市場の活性化を実現すること」を目標に活動する業界団体初の横断的、活動組織である。
現在の主な活動は月1回のペースでの委員会だが、ここから既に昨年、3つのイベントを開催、もしくは後援・協力している。
日本スーパーシニアゴルフ協会主催の「いきいきゴルフ300歳大会」、日本ゴルフ場事業協会主催の「経産大臣杯全国チーム対抗戦」、それとGMACがモニター的に始めた「スクランブルゴルフ大会」で、今年はそれぞれ規模が拡大される。
そして、それに続く大きなイベントとなったのが、今回のセミナーだった。
しかし、日本スポーツマーケット研究所の山岸勝信氏の基調講演はショッキングな内容から始まった。国民の教養娯楽費の支出は02年以降上昇に転じているにもかかわらず、ゴルフ場入場者数は97年以降ずっと減り続けている。
これは国民に「ゴルフ離れ」が起こっているということであり、さらに今後の人口構造の推移(ゴルファーの中核層の高齢化)から、ゴルフ対象人口は減り続けると予想される。
そのため「現状のままでは2030年には、入場者数は現在よりさらに2000万人も少ない6500万人を割ると予測される」というのだ。
そうなっては最終的には一般ゴルファーも不便を強いられることになるが、業界関係者の危機感は既に現実味を帯びている。
山岸氏の講演、並びにパネルディスカッションを通して、活性化につながる多様な提言や成功事例が熱く語られるセミナーとなった。
「300人近い様々な業界関係者が出席して危機感を共有できたことで、今後の我々の活動を円滑に進める土壌づくりができたと思います」(GMAC委員)
GMACでは前述のイベント拡充に加え、まずはこれまで各団体・企業が別個に、異なるフォーマットで実施していた市場調査(ゴルファーのアンケート調査)を今年中にもデータを共有できるものに構築したいという。
無論、今後も試行錯誤は続くのだろうが、業界を挙げての活性化への動きは加速していきそうだ。それは一般ゴルファーのプレー環境を整えることになるはず。今後の活動に期待したい。
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