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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 3/28号
2006/3/16更新
東京建物が今期5ゴルフ場を取得の方針
100億円計上してグループ15コース目指す

 2大外資に代わる国内勢の一角・東京建物が、今期100億円のゴルフ場取得予算を計上したことが明らかになった。


東京建物グループの鶴ヶ島CC

 東京建物は2年前の04年4月に、大成建設から日光インターCC(現日光ゴルフパークハレル)を取得したのを皮切りにゴルフ場買収に参入。

 以後、2年間でつくでGC(愛知)、旧オリコ系のホロンGC(静岡)、霞GC(三重)、旧大京系の東庄GC(千葉)、鶴ヶ島CC(埼玉)、バブコックアンドブラウン系のJクラブ霞ヶ浦(茨城)、旧マキタ系のキャッスルヒルCC(愛知)、四日市セントラルGC(三重)、芸濃セントラルGC(三重)の合計10コース(うちパブリック2コース)を傘下に治めた。

 オリックス、ユニマットなどに比べると買収ペースは緩慢だが、2年前、同社が本誌に明らかにしていた「年間5~6コースペース」とほぼ一致する。

 今期はゴルフ場買収に100億円の予算を計上しているが、一部のゴルフ場の価格が高騰している現状をふまえ、「取得目標のコース数に特に目安があるわけではなく、100億円の予算を、案件単位で柔軟に振り分けたい」(同社広報)という。

 沖縄のザ・サザンリンクスで50億円を超える金額が出るなど、人気コースの価格が上昇する中、従来のような年間5~6コースという目安に、100億円という予算をあてはめ、1コース20億円と考えてしまうと、買える物件が限られてしまう可能性は高い。

 東京建物は当初はコースの運営受託でゴルフ場事業に参入、その後運営受託ノウハウを生かしてデューデリジェンス事業(ゴルフ場価格の査定業務)に参入し、そして自ら取得する事業に辿り着いている。

 このため「ゴルフ場の『目利き』能力には自信がある」(同社)ので、人気がない安いコースでも、再建可能なら安く買い、多少高くても収益力を引き上げることが可能で、採算が合うのなら買っていくという柔軟な姿勢で臨むようだ。コース数はこれまでのような年間5~6ペースではなくなる可能性が高い。

 価格が高騰するにつれ、争奪戦の時期がより早くなり、再生法などの倒産手続きの申立前に、獲得競争が展開されるケースが主流になっているのも事実。かつてのような2大外資が入札で一騎打ちになる展開もほとんどお目にかからなくなった。

 東京建物が10コースを傘下に治めた経緯も、再生法がらみが6コースで、法的手続きを経ずに前所有者から直接取得したものが4コースある。

 このため、「入札にももちろん参加していくが、あらゆるチャンネルからの情報収集に努めたい」(同社)という。

 東京建物はその名の通り、本業は不動産業。05年12月の売上高は1764億円だが、そのうち1000億円はマンションや住宅地などの分譲事業、421億円が保有不動産の賃貸事業が稼ぎ出している。

 2年前の04年2月に公表した中期2カ年計画では、06年12月期に売上高2000億円、営業利益250億円、経常利益180億円というのが目標だった。

 しかし1年早い05年12月期に294億円の営業利益、244億円の経常利益という好業績を達成している。

 この好業績に貢献しているのは分譲事業や賃貸事業ではなく、不動産開発事業で、ゴルフ場事業の貢献度はまだまだ微々たるもの。

 2大外資のスポンサー就任に会員が抵抗するケースが頻発する中、東京建物はホロンGCで一部会員から反発が出たものの、それ以外の5コースではほぼ順当にスポンサー就任が実現している。

 ただ、2大外資のようなどん欲な収益追求をしない姿勢が会員から受け入れられているとも言え、高値で入札して後から収益追求で回収する、というスタンスとはほど遠い。

 これまでも採算を度外視した高額入札にはまず興味を示してこなかった同社だが、売り物が減り続ける中、100億円の予算を使いきれるだけの『買い物』をどう確保していくのかが課題だろう。

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